研究課題/領域番号 |
22KJ2777
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補助金の研究課題番号 |
22J00840 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 (2023) 津田塾大学 (2022) |
研究代表者 |
生駒 美樹 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 負債 / 移住 / 少数民族 / 茶生産 / ミャンマー / 茶 / 農村 / 互酬性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ミャンマーの山間地域シャン州ナムサン郡で茶生産を生業とするタアン(パラウン)人を事例に、負債の多様なあり方と人々の複雑に揺れ動く関係性の連関を解明することを目的としている。調査地では、負債を媒介とした「支援」と呼ばれるパトロン=クライアント関係が村内外に張り巡らされているが、近年この関係に変化が見られる。ミャンマーの少数民族地域の人々の生活は、度重なる内戦や新型コロナウイルスのパンデミック、2021年2月の軍事クーデターによって深刻な打撃を受けている。本研究では、こうした社会変化が調査地の負債のあり方にいかに影響を与えているのかという現代的な課題の究明にも取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究は、ミャンマーの山間地域シャン州ナムサン郡で茶生産を生業とするモン・クメール 系の少数民族パラウン人を事例に、村内外に張りめぐらされた 「支援(トッ)」関係と呼ばれる互酬関係について分析することを目的としている。しかしながら、2021年の軍事クーデター以降のミャンマー情勢は悪化の一途を辿っており、現地調査実施の目処が立っていない。本研究の調査地ではミャンマー軍評議会の軍とタアン(パラウン)民族解放軍TNLAとの間で戦闘が発生し、多くの人々が国内の他都市や近隣のタイやマレーシアに避難している状況である。そこで、2023年度は調査地域一帯の人々の多くが避難あるいは移住しているタイのチェンマイで調査を実施した。具体的には、村人の半数近くがチェンマイに移住している一つの村の人々を調査対象とし、彼らの移住経験、移住先での生活、ミャンマー国内の村に残っている人々との関わり、茶生産をめぐる人々の関係の変化等について聞き取り調査を行った。また、これと並行し、オンラインによる聞き取り調査やSNS上のメディア調査を行い、現在の調査地の情勢分析を行った。また、国内の研究機関や図書館における資料収集も実施した。 研究成果については、2023年6月に15th International Burma Studies Conferenceで口頭発表を行ったほか、博士学位論文をもとにした単著の出版に向け原稿の改稿を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年の軍事クーデター以降のミャンマー情勢は悪化の一途を辿っており、本研究の調査地ナムサン郡でもミャンマー軍評議会の軍とタアン(パラウン)民族解放軍TNLAとの間で戦闘が発生している。当初の計画では、ナムサン郡の村で現地調査を実施する予定だったが、現時点でナムサン郡での調査実施の目処が立っておらず、代替措置としてタイのチェンマイで調査を実施しているため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、博士学位論文をもとにした単著を出版すべく校正を行う。また、上述の通りナムサン郡での調査は実施できないため、タイのチェンマイに移住したパラウン民族の調査を実施することで、彼らの移住経験、移住先での生活、ミャンマー国内に残る人々との繋がりについて、互酬関係や負債に着目しながら調査を行う。
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