研究課題/領域番号 |
22KJ2782
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補助金の研究課題番号 |
22J00945 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 (2023) 東京医科大学 (2022) |
研究代表者 |
根本 裕太 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 講師
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中年期女性 / 経年変化パターン / 大規模パネル調査 / 混合軌跡モデル / オーストラリア / 身体活動経年変化 / ALSWH |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、身体活動経年変化による健康影響とその作用プロセスを解明することを目的とする。本研究では、1)中高年期の23年間における変化を類型化し、各パターンの認知症・要介護リスクを解明する。2)前期高齢期の身体活動変化と後期高齢期の身体・認知機能低下を媒介する要因を主観・客観的データを用いて解明する。本研究により得られる知見から、高年期の疾患発症リスクが高い、重点介入すべき集団を早期に特定することができるようになる。
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研究実績の概要 |
当該年度は、オーストラリアのクイーンズランド大学が実施しているコホート研究(The Australian Longitudinal Study on Women's Health: ALSWH)のデータを用いて、中年期女性を対象とした分析を実施した。この研究では、中年期女性の身体活動の変化パターンと糖尿病、高血圧、肥満、抑うつ、身体障害の発症との関連を検討した。本研究では、ALSWHの1946-51年コホート(n = 11,611)のデータを分析した。参加者はオーストラリアの国民健康データベースから無作為に抽出された。1998年(47~52歳)から2019年(68~73歳)まで3年間隔で郵送調査を行い、身体活動と糖尿病、高血圧、肥満、抑うつ症状、身体機能に関するデータを収集した。47~52歳から56~61歳までの身体活動の変化パターンを、混合軌跡モデルを用いて検討した。また、時変共変量を用いたCox回帰モデルにより、身体活動の変化パターンと56~61歳から68~73歳までの有害な健康アウトカムとの関連を検討した。解析の結果、身体活動の変化パターンは、Low(参加者の59.7%)、Increasing(26.3%)、Declining(5.9%)、High(8.1%)に分類された。9年間の身体活動量(MET.minutes/week)の累積中央値は、Low群が450、Declining群が1324、Increasing群が1399、High群が2323であった。Low群と比較して、糖尿病、肥満、身体障害のリスクはIncreasing群とHigh群で低く、抑うつのリスクはHigh群で低く、肥満のリスクはDeclining群で高かった。身体活動の変化パターンと高血圧との間には有意な関連はみられなかった。これらのことから、身体活動レベルが一貫して低いか低下している女性は、高齢期に慢性疾患や身体障害を発症する可能性が高く、予防プログラムの対象とすべきであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に実施した研究成果をまとめた学術論文が採択され、今年度の研究成果についても論文投稿済みであるため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次のステップとして、医療費・介護費データを用いた解析を予定しているものの、データ利用の許可取得に予想以上の時間がかかっている。今後データを取得次第解析を開始し、2024年度中に解析結果をまとめて論文を投稿する。
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