研究課題/領域番号 |
22KJ2795
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補助金の研究課題番号 |
21J20036 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
高橋 純平 東京理科大学, 東京理科大学 薬学研究科 薬科学専攻, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Alzheimer's disease / Oxytocin / Memory / アルツハイマー型認知症 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
Oxytocin(OXT)は社交性(他者との社会的接触行動)に関与することがよく知られている。また人を対象とした報告において、「孤独」はアルツハイマー型認知症の発症リスクとなり得ることが示唆されているが、その詳細については検討されていない。我々は、社会的接触による認知機能への影響にOXTが関与していると考え、本研究を着想した。本研究は、遺伝子組み換え技術を用いて、OXT神経活動を制御する手法を確立し、その技術に電気生理学的手法、行動実験さらに、組織学的検討を組み合わせることで、OXT神経回路の役割及び作用メカニズムを明らかにし、社交性と認知機能の関連性を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
1. Oxytocin(OXT)は視床下部室傍核(PVN)で合成される神経ペプチドホルモンである。また、OXTは、社交性(他者との社会的接触行動)に関与することがよく知られている。またヒトを対象とした報告において、他者との社会的接触行動が乏しい「孤独」はアルツハイマー型認知症(AD)の発症リスクとなり得ることが示唆されている。このように、社交性はADの認知機能障害と何かしら関連性があると考えられるが、その詳細については検討されていない。本研究は、社会的接触による認知機能への影響にOXTが関与しているという仮説を立て、認知機能におけるOXT神経回路の役割及び作用メカニズムを明らかにし、社交性と認知機能の関連性を解明することを目的とする。申請者らは、(1)PVNのOXT神経は海馬および乳頭上核の神経細胞の活動を調節することで認知機能を制御していること、(2)PVNのOXT神経の活性化はADモデルマウスであるムスカリン受容体拮抗薬スコポラミンを投与したマウスの認知機能障害を改善することを見出しことができ、認知機能におけるOXT神経回路の役割とそのメカニズムを解明することができた。さらに、(3)社会的環境の違いが、AD病理およびOXT神経基盤に与える影響をアミロイド前駆体タンパク質(APP)にSwedish、Arctic、Iberianの3つの遺伝子変異がノックインされたAPP-KIマウスを使用し解明することができた。本研究課題の成果は、(1)認知機能を担うOXT神経基盤の解明 (2) 社会的環境がADの病理および、OXT神経基盤に与える影響について解明することができた。さらなる研究が必要であるが、OXT神経の活動を増やすような環境 (人や動物などのふれあい) を整備することで、ADの発症を予防できる可能性が期待できる。
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