研究課題/領域番号 |
22KJ2796
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補助金の研究課題番号 |
21J20598 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
緒方 大二 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 動的ケージ錯体 / 超分子錯体 / ナノチューブ / π電子系化合物 / ホストゲスト / ケージ型錯体 / 非対称性配位子 / 超分子金属錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで開発されたケージ錯体の内部に包摂出来るゲスト分子は 無機アニオンなどの比較的サイズが小さく、対称性の高いゲスト分子に限定されていた。一方で、高い導電性など材料化学として重要な機能を示すπ電子系化合物は、サイズが大きく低対称性の分子が多く存在する。これらのπ電子系化合物は有機溶媒に難溶性であるが、大きな形式電荷をもつ金属錯体ケージに包摂することで、可溶化が期待できる。本研究では、量論比変化のみで構造転移が可能なケージ錯体を創出し、ゲスト分子としてπ電子系化合物を対象にすることで溶解性の ON/OFF制御や、それらを利用した加工プロセスが可能にし、超分子化学分野の材料応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、難溶性π電子系化合物の包摂と放出を可逆的に行う動的超分子ケージの創出を目的にしている。具体的には拡張したケージ錯体を合成することで、よりサイズの大きいゲスト分子(π電子化合物)や複数のゲスト分子の包摂と放出を行い、最終的にはゲスト分子のライブラリーを完成させることである。そのために、前年度までに開発したケージ錯体を用いて、π電子化合物やイオンを中心としたゲスト分子の包摂と放出の評価、および、金属イオンをPd(II)イオンからZn(II)イオンに変更し、ケージ錯体の創出と包摂と放出が可能なゲスト分子(π電子化合物やイオンなど)の探索を行った。前年度で合成した動的ケージは、PF6、SbF6、ClO4、BF4などの無機アニオンだけでなく、電子供与性のテトラチアフルバレンやフェロセンといった中性分子に対しても、包摂放出機構を適用できることを1H NMRから明らかにした。 一方で、後者のZn(II)イオンを用いた場合、横1.8 nm、縦1 nmの空隙を有する大環状錯体が構築することがX線結晶構造解析から明らかとなった。さらにこの大環状錯体は、結晶化すると錯体が一次元上に配列した有機金属ナノチューブ構造となることが分かった。ピレンやアントラセンといった難溶性のアセン系分子や、導電性に優れたテトラチアフルバレンやフェロセン、チオフェンなどの様々なサイズの中性分子を含む溶液に、単結晶を含侵させることにより、ゲスト分子が規則正しく包摂、配列できることがX線結晶構造解析から明らかになった。さらに含侵させた結晶を溶媒中に静置させると、包摂されたゲスト分子を放出可能であることが、1H NMRで明らかになった。これらの操作は繰り返し行うことができ、様々な大きさを有するイオン種や導電性に優れた中性分子を繰り返し包摂と放出を行う動的超分子ケージや有機金属ナノチューブの創出に成功した。
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