• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

マウス生得的行動中枢で発見した新規脳領域の巣作り行動における機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2821
補助金の研究課題番号 22J20144 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

田川 菜月  東邦大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード巣作り行動 / 視床下部 / 外側視索前野 / c-Fos
研究開始時の研究の概要

巣作り行動は動物界に広く観察される生得的行動であり、特にマウスにおいては体温調節や睡眠、養育と関連することが知られている。申請者はこれまでに、生得的行動の中枢が多く位置する視床下部において巣作り行動時に活動し、かつ機能が既知の神経細胞群とは異なる可能性のある神経細胞群の存在を見出した。本研究では、この神経細胞群の解剖学的解析と機能解析によって巣作り行動の制御に関わる新規の神経機構を示すことを目指す。

研究実績の概要

本研究の目的は、視床下部の組織学的解析と機能解析によって巣作り行動の制御に関わる新規の神経機構を明らかにすることである。
2022年度までは、多くの生得的行動の中枢が存在する視床下部にて巣作り行動時に活動する脳領域を探索するために組織学的な検討を中心に進めてきた。そして、巣作り行動を行ったマウスでは神経活動マーカーであるc-Fosの発現が外側視索前野で特異的に増加することが明らかとなった。また、c-Fos発現陽性となる神経細胞集団がどのような細胞なのかを明らかにするため、多重蛍光in situ hybridization法を用いて神経伝達物質等の遺伝子発現を組織学的に検討することを進めた。その結果、これらの細胞のうち約半数は遺伝子Aを発現していることを見出していた。
2023年度には遺伝子AのCreドライバーマウスを用いて、この遺伝子を発現する細胞集団の神経活動を特異的に操作することを試みた。このCreマウスの外側視索前野に対し、アデノ随伴ウイルスベクターによって人工受容体であるhM3Dq遺伝子を局所発現させた。そして、この受容体に結合するCNOを投与することで、外側視索前野の遺伝子Aを発現する神経細胞を薬理遺伝学的に活性化させた。その結果、非活性化時に比べて巣作り行動に費やす時間が増加することが確認された。以上の結果は、遺伝子Aを発現する外側視索前野の神経細胞が巣作り行動の制御に関わる可能性が高いことを示している。当初の計画には含まれていなかったが、巣作りに関わる神経細胞が雌雄や生理状態を問わず確認できるかについて検討するため、これまで検討していた性経験のないオスマウスとは別に、メスマウスや父親マウスを用いた組織学的検討を行った。その結果、メスマウスや父親マウスにおいても、巣作りを行ったマウスでは外側視索前野が活性化していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初2023年度の実施を予定していた薬理遺伝学的な神経活動の抑制実験とカルシウムイメージングのセットアップと予備実験の代わりに、研究実績の概要に記した追加実験をおこなったため。

今後の研究の推進方策

当初、2024年度にはカルシウムイメージングによる巣作り行動中の神経活動の記録を実施する予定であった。しかし現在の進捗状況を鑑みて、カルシウムイメージングは実施せずに薬理遺伝学的な神経活動の操作実験の内容を充実させて実施するよう軌道修正する。
まず、上に記載した薬理遺伝学的に神経活動の促進実験を引き続き実施し、結果の再現性を検討する。
ここまで、薬理遺伝学的な神経活動の促進実験はマウスの休息期にあたる明期の特定の時間帯に実施してきた。しかし、これまでにマウスの巣作り行動の観察してきた結果から、時間帯によって巣作りへのモチベーションの程度が異なることが分かっており、実施する時間帯によって結果が変わる可能性もある。そこで、巣作りへのモチベーションが特に低かった暗期開始直後にも同様の実験を行い、マウスが巣作り行動に費やす時間が非活性化時に比べて増加するかについても追加で検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Activation of lateral preoptic neurons is associated with nest-building in male mice2024

    • 著者名/発表者名
      Natsuki Tagawa, Keita Mori, Michinori Koebis, Atsu Aiba, Yuichi Iino, Yousuke Tsuneoka & Hiromasa Funato
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 号: 1 ページ: 8346-8346

    • DOI

      10.1038/s41598-024-59061-z

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウス外側視索前野と巣作り行動との関係2023

    • 著者名/発表者名
      田川 菜月、恒岡 洋右、森 啓太、古戎 道典、饗場篤、飯野雄一、船戸弘正
    • 学会等名
      第128回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] マウス視索前野で巣作り行動特異的に c-Fosを発現した神経細胞の性質2022

    • 著者名/発表者名
      田川 菜月、恒岡 洋右、森 啓太、古戎 道典、船戸弘正、飯野 雄一
    • 学会等名
      第45回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi