研究課題/領域番号 |
22KJ2833
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補助金の研究課題番号 |
22J00387 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
山本 荷葉子 (2023) 日本女子大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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特別研究員 |
山本 荷葉子 (2022) 日本女子大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 雌雄同株 / 比較ゲノム解析 / 有性生殖 / ボルボックス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近縁で異なる生殖様式を持つ卵生殖のボルボックス2種を用いる。オスとメス両方の配偶子を同じ個体内で形成するメカニズム、また異なる有性生殖群体を同じ個体内で形成するメカニズムを明らかにすることで、生成する配偶子だけではなく、生殖に関わる器官全体を含めた両性への進化メカニズムについて理解することを目的としている。 以前の研究によりゲノム上の2種の遺伝子上の違いが明らかになったことを受けて、その中から具体的な原因遺伝子の特定のため、遺伝子の有性生殖群体の形態への影響を調べる。また本種は非モデル生物であるため、前提として、新たにより安定的な性誘導手法の確立と同調培養系の確立が求められる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、卵生殖ボルボックスのヘテロタリックからホモタリックへの進化経路を解明することであり、そのためにホモタリック種のVolvox africanusとヘテロタリック種のVolvox reticuliferusを比較解析に用いた。性発現時の経時的トランスクリプトーム解析や形質転換系の確立を計画していたが、培養株と保存施設のサンプルが性発現能力を失っていたため、性発現能力を持った新規株を得るため、琵琶湖での野外調査とサンプル採取を複数回実施した。 結果として、ヘテロタリック種V. reticuliferusの性発現能力を保った新規野生株を確立できたが、ホモタリック種V. africanusの野生株は得られなかった。そのため、本年度はゲノムデータに基づく研究に専念した。 前年に続き、タイ産新規V. africanus株と琵琶湖産V. africanusの全ゲノム比較解析を実施し、両者の性染色体様領域が祖先株のヘテロタリック種の雌雄別々の株に由来することを確認した。この成果はiScienceに発表した (Yamamoto et al., 2023)。 今後は、新規確立したV. reticuliferus株を用いてトランスクリプトーム解析を行い、性発現に関与する遺伝子群を特定する予定である。また、ホモタリック種V. africanusについては、タイ産および日本産株の常染色体領域の詳細な比較解析も行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
培養株および保存施設のサンプルの性発現能力が失われていたため、原産地である琵琶湖において複数回のサンプル採集を行ったが、ホモタリック株については新規野生株が確立できなかったため、性発現に伴って発現パターンの変化する遺伝子を特定することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き常染色体領域についての比較解析を行うとともに、新規野生株を確立したヘテロタリック種についてはRNA-Seqを行い、性特異的な発現パターンを解析する予定である。
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