研究課題/領域番号 |
22KJ2840
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補助金の研究課題番号 |
22J10174 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
富山 隆広 法政大学, 人文科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 能楽 / 間狂言 / 中世文学 / 芸能史 |
研究開始時の研究の概要 |
世阿弥・金春禅竹作品について、これまで等閑視されがちであった間狂言を用いた視点から再検討していく。両者の作品では間狂言の機能を有効に活用した場合が多く看取される。間狂言の活用が、世阿弥・禅竹の作風の形成に役立ったことを明らかにし、後代への影響についても考察していく。また、間狂言研究の基盤を醸成するために、これまで紹介・翻刻されてきた間狂言諸本を中心に整理・分析を進め、系統や素性について全体的に把握できるようなシステムを構築することを目指していく。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、世阿弥・金春禅竹作品において間狂言が曲の進行と関わる重要な役であることを指摘した。その成果として、学会発表「能〈鵜飼〉の改作と間狂言」(2023年度中世文学会春季大会、2023年5月28日、白百合女子大学)を行った。さらに間狂言研究の基盤構築を目的として、龍谷大学図書館・天理図書館・市立米沢図書館が所蔵する間狂言資料の撮影・複写を行い、データ化および翻刻を行った。このほかにも野上記念法政大学能楽研究所共同利用・共同研究拠点「能楽の国際・学際的研究拠点」間狂言共同研究会にて、資料翻刻の分担者の一人として参加し、その成果は『能楽資料叢書8 間狂言資料集成』(野上記念法政大学能楽研究所、2024年3月)としてまとめられた。さらに近現代に関する研究にも着手し、以下の成果を出すことができた。論文「時局能〈忠霊〉の構想と成立―原案「英霊」との比較から―」(『能と狂言』第21号、2023年12月)、学会発表「時局能〈忠霊〉の構想と成立―原案「英霊」との比較から―」(『能と狂言』第21号、2023年12月)。いずれも戦時中新作能がいかに間狂言を活用して作品を制作したのかを一曲ないしは前後の時代との関連から論じたものである。このように本年度は、世阿弥・近代・近現代に至るまで幅広い時代を視野とした間狂言研究を行い、一定の成果を出すことができた。
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