研究課題/領域番号 |
22KJ2876
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補助金の研究課題番号 |
21J01257 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
向井 香瑛 (2021, 2023) 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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特別研究員 |
向井 香瑛 (2022) 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 対人魅力 / 対人運動協調 / 身体同期 / 生理指標 / 心拍数 / 相性 / 対人間運動協調 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトの対人魅力が運動協調時の運動学的変数にどのように影響を及ぼすかについて調べる。対人協調は、一方向的な影響ではなく二者間の相互作用によって創発すると考えられる。二者の「相性」に関与する対人魅力を調査した研究は一方向的な影響を検討したものが多く、対人魅力の相互作用が関与する行動・認知メカニズムは明らかではない。そこで本研究では、意図的・非意図的な対人間運動協調課題を用いて、以下について調査を行う。1)相手が自分に感じる対人魅力の程度が対人運動協調の創発に及ぼす影響、2)対人運動協調に関わる対人魅力指数、3)対人運動協調に関与する神経生理的要因。
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研究実績の概要 |
本研究は、対人魅力が対人協調の「相性」に及ぼす影響とその神経基盤の解明を目指す計画である。当該年度は、対人魅力が身体反応にどのように影響を与えるかを調べるため、「社会的親密度と身体同期の関係」や「親密な他者の存在による生理的反応の変化」を調査した。その結果、社会的親密度の違い(恋人同士・友人同士)は、身体同期の程度に影響を与えない可能性が示された。また、親密な他者が正面にいると、副交感神経活動が活性化し心拍数が下がることが明らかとなった。さらに興味深いことに、親密な他者が右手側にいる場合にも心拍数の減少が観察された。親密な他者が左手側や背後にいる場合には生理的反応は変化しなかったことから、社会的親密度だけでなく、他者との相対的な位置関係も相互作用中の二者の身体反応に影響を与えると考えられる。上記の成果をまとめると、社会的親密度は運動学的変数(身体同期)には影響を与えないものの、生理学的変数(心拍数など)には影響を与える可能性が示された。これらの研究成果を国際学会で発表し、発表賞を受賞した。また研究成果の一部を学術論文としてまとめ受理・出版された。また、所属研究機関からのプレスリリース記事も配信されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスにより研究活動を一時中断していたが、2023年6月から研究活動を再開した。研究計画の一部を変更する必要があったものの、新型コロナウイルスの感染リスクに十分に配慮しながら、二者同時参加の実験を実施することができ、研究成果を複数の国際学会で発表した。さらに、学術論文としてまとめ、受理・出版していることからも、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新型コロナウイルスの感染拡大により実施することができなった実験を行う予定である。また、二者間の身体同期は、線形手法にとどまらず非線形力学系解析等を用いるなど、多角的に定量化することが可能であるため、これまでの実験で取得したデータに対して、これらの解析手法を適用する予定である。
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