研究課題/領域番号 |
22KJ2877
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補助金の研究課題番号 |
21J01731 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 麻衣子 (2021, 2023) 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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特別研究員 |
小林 麻衣子 (2022) 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ジェンダー / ジェンダーステレオタイプ |
研究開始時の研究の概要 |
現状では日本においてSOGIの発達や国際比較に関する実証的研究がほとんどなされていない.本研究の特色は,教育支援,臨床心理学やダイバーシティ研究への展開を想定した,実験心理学的アプローチにある.従来の質問紙のような性的マイノリティ当事者が自己開示している場合にのみ得られる顕在的なデータだけではなく,実験心理学的手法によりバイアスを低減した態度や行動特性を炙り出すことにある.この手法を採用することで,言語的に未発達な子どもや知的障害,認知症や発達障害者にも行いやすい実験システム構築する.
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研究実績の概要 |
本研究は,性的指向・性自認の性発達過程の解明と社会実装という課題を遂行している。本年度は,性的指向認知に関わる,魅力認知,偏見やバイアスに関わる研究に注力した。具体的には,目,口,顔全体の魅力の評価は長時間提示されるよりも短い時間提示されることで向上することがわかった。しかし,顔のパーツの中でも鼻は長い提示時間でより魅力的と評価された。表情による検討も加えると,笑顔の顔はより魅力的と評価される傾向があり,怒りの表情の顔は魅力が低いと評価された。この研究成果は,魅力評価は提示時間や顔のパーツに依存することを明らかとし,認知心理学における基礎的な知見を提供するものである。その他にも,人が性的指向に基づいて感情を読み取るときに偏見が生じるかどうかを検討するなど,精力的に研究を進めていた。これら成果は,27th International Computer Science and Engineering Conference (ICSEC) やフォーラム顔学2023にて発表を行い,査読つき英語論文として掲載された (Kobayashi et al., 2023; Bucher, Kobayashi & Watanabe, 2034)。その他にも,潜在的に (無意識に) 付加された知識は真実と錯覚してしまうのかを検討することで,認知バイアスに関わる基礎的知見を積み重ねている。この研究成果は査読つき英語論文として掲載された (Sasaki et al., 2023)。 以上のように,顔の魅力認知,性的指向に基づく感情認知そして認知バイアスに関する検討を進め,国内外での学会発表ならびに論文投稿を行なった。これら研究成果は,人の認知プロセスをより深く理解する上で貴重な知見を提供したといえよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究とは全く異なる結果が得られたため,その結果の再現性や先行研究の再調査に予想外の日数を要している。そのほかにも,想定していた機材の不調などによる研究計画の再考が必要になり,研究計画が後だおしになっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,迅速に研究計画の立て直しと先行研究の再調査を完了させ,短時間で成果を上げられる研究方法にシフトする。例えば,対面でのデータ収集予定をオンラインに切り替え調査日数を大幅に短縮するなどを検討している。
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