研究課題/領域番号 |
22KJ2879
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補助金の研究課題番号 |
21J20125 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
萩原 佑紀 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 結晶アクチュエータ / 光熱効果 / 固有振動 / 熱膨張 / 高速屈曲 / 屈曲シミュレーション / 光熱変換材料 |
研究開始時の研究の概要 |
光や熱などに応答して動くメカニカル結晶はアクチュエータやソフトロボットへの応用が期待されている。しかし大部分は光異性化、一部は相転移に基づいており、対象となる結晶が限定されることが難点であった。申請者は2020年、光熱効果により有機結晶が高速で屈曲することを初めて発見した。光熱効果は物質が光を吸収して励起状態になり、基底状態に戻る際に熱を放出する現象で、光を吸収するほとんどの結晶で起きる。このため幅広い結晶をあらゆる波長の光で動かせる可能性がある。光熱効果による結晶の屈曲機構を解明し、光熱効果に基づいて多種多様なメカニカル結晶を開発することで、メカニカル結晶材料の多様化と可能性の拡大を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度はまず、室温で負の熱膨張、高温で正の熱膨張を示すサリチリデンアニリン結晶に注目し、分子間相互作用などを詳細に解析することでその原因を明らかにした。また、2022年度にドイツのマックス・プランク研究所のMetin Sitti教授グループとの共同研究で開発した光熱変換材料とのハイブリット結晶について、生体模倣寒天ファントム内での近赤外光による屈曲を実証し、またこのハイブリットの技術が他の結晶でも適用可能であることがわかった。さらに弾性変形するアントラセン結晶について、結晶の先端に楕円状の樹脂やフィルムを荷重することにより、高エネルギー変換効率の大きい光熱共振固有振動を示すことを明らかにした。2023年9-10月にはベルギー・ブリュッセル自由大学のYves Geerts教授グループに研究滞在し、Directional crystallizationという手法により結晶成長方向の揃った多結晶材料の開発を行うことにも成功した。 研究期間全体を通して、あらゆる有機結晶を高速アクチュエーション材料として扱えるようになっただけでなく、シミュレーションにより定量的に屈曲を設計できるようになったため、結晶を実際に応用研究に用いる段階に到達させることができた。特に光熱効果による屈曲のシミュレーション、光熱誘起固有振動による大きく高速な屈曲の発見、光熱変換材料とのハイブリッド化による幅広い波長の光での光熱屈曲の3件は特にインパクトが大きく、研究を推進する上で重要なステップとなった。最後に研究全体を俯瞰する考察として、アクチュエーション材料全体の特性を評価し、比較することで有機結晶の材料としての特徴を考察した。結果、光熱効果や固有振動による結晶アクチュエーションの応用先として、大きい変位は必要ではないが、高速動作の要求されるデバイスやロボットが最適であるという知見を得ることができた。
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