研究課題/領域番号 |
22KJ2885
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補助金の研究課題番号 |
21J21434 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤井 なつみ 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 演劇 / 検閲 / 警察 / 興行取締 / 演劇検閲 / 地方警察 / 歌舞伎 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代日本(明治から終戦まで)の演劇検閲の制度と実態を総合的に明らかにすることを目的とする。具体的には、脚本検閲と劇場臨検の二段階で構成される演劇検閲が、全国各地でどのように展開したか、またそれに対し各地方演劇関係者がどのように対応・批判したか、また検閲を実行していた各地方警察がそれをどう捉えていたかを検討していく。その際、演劇検閲が各地方警察によって担当され、地方毎に独自の検閲基準によって行われたことをふまえ、地方間、そして演劇ジャンル間の検閲基準の差異、さらに演劇関係者、警察内部におけるさまざまな見解の違いを踏まえつつ、演劇制度ならびにその運用実態の変遷を追っていく。
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研究実績の概要 |
本研究では、近代日本における演劇検閲の制度、そして実態について、通時的・全国的な視野から検討を行ってきた。その結果、本研究の調査によって発掘した史料によって、警視庁以外の地方警察による演劇検閲の運用などに関する多くの基礎的事実を明らかにし得た。また、それらの事実に基づき、さまざまな演劇ジャンルに対してなされた検閲を横断的に分析することで、各地方警察が演劇を検閲するうえで、その演劇の性格、上演場所、観客の性質などの要素を勘案した検閲判断を行うという「恣意的」な運用を必要不可欠なものとして確立し、実行していたことを明らかにした。それは、同じ脚本であっても状況によって上演の可否が左右されるという不統一な状況を生み出していたのであった。 そして、最終年度である今年度は、秋田市立土崎図書館において金子洋文所蔵検閲済脚本の調査などを中心に、昭和戦前期になされた演劇検閲と、それに対する演劇関係者の反対運動の調査、研究を行った。その成果として、演劇ジャンルによって検閲基準の寛厳を変える前述の「恣意的」な検閲の運用によって、演劇界内部にも検閲の実態をどのようにとらえ、何を問題とするかという点で、左翼演劇や商業演劇などの演劇ジャンルごとに差異が生じており、それに伴って異なる検閲批判の論理が存在していたことを明らかにした。そしてそのような状況が、検閲批判運動に参加している演劇関係者内部に断絶をもたらし、批判運動の団結を妨げる大きな要因となっていたことを明らかにした。
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