研究課題/領域番号 |
22KJ2912
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補助金の研究課題番号 |
22J10082 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中津 陽菜 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | アクセント / 方言 / 日本語学 / 言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、三重県内、特に中南部における方言アクセントの様相を明らかにし、それを日本語諸方言のアクセント史上に位置付けることを目的とするものである。三重県には、近年詳細なアクセントの調査があまり行われていない地域が多く存在する。本研究ではまず、聞き取り調査によってその空白を埋めることを目指す。 また、文献資料に頼ることのできない地域や時代のアクセントは、複数の方言アクセントを比較することによって再構(復元)しうる。本研究は調査によって得られたデータと先行研究のデータとを比較することにより、三重県の諸方言アクセントが、ひいては日本語諸方言アクセントが辿った変遷の一端を解明しようと試みるものである。
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研究実績の概要 |
最終年度はまずこれまでに得たデータの整理と分析を行い、その結果を「三重県旧南勢町における二拍動詞五段活用連用形アクセントの変化」(1) と「三重県旧南島町における名詞アクセントの報告」(2) として発表した。各研究発表の概要は以下の通りである。 (1)「書いた・読んだ」等のアクセントは、京阪式アクセントにおいて、近世から現代にかけて低高低から低低高へと変化したとされる。当該の現象について調査した先行研究は複数存在し、その変化の進度が地域によって様々であることが示されてきた。しかし三重県における調査はなく、その様相は不明であった。筆者による調査の結果、三重県旧南勢町においては逆に低低高から低高低への変化が起こっていることが明らかになった。 (2) 旧南島町のアクセントは金田一春彦氏による1974年の発表からあまりデータが更新されておらず、現在のアクセントの様相は不明であった。そこで筆者が80代と50代との2名を対象に調査を行ったところ、先行研究で述べられていた語頭のアクセント低下が、特に50代のインフォーマントで聞かれなくなっていることが明らかになった。 また10月、2月、3月には旧南勢町・玉城町・志摩市において新たにフィールドワークを行い、データの採集を行った。
研究計画当初、研究期間全体の目的は、フィールドワークにより三重県における方言アクセントを記述し、それを京阪式アクセント史上に位置付けることであったが、初年度の研究状況に鑑み、2年目(最終年度)からは対象地域を絞って研究を進めることにした。その結果、研究期間全体では、三重県中南部の旧南勢町・玉城町・志摩市における名詞・動詞のアクセントの様相が明らかになった。本研究で得られた成果は京阪式アクセント研究に、ひいては日本語アクセント研究にも貢献する可能性がある。
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