研究課題/領域番号 |
22KJ2936
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補助金の研究課題番号 |
22J12904 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
教誓 祐太 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | チオNADサイクリングELISA / 新型コロナウイルス / 性差 / 女性ホルモン / エストラジオール / チオNADサイクリングELISA法 / 高感度測定 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルスの高感度検出に成功したチオNADサイクリングELISA法の応用化を行なっていく。他のウイルスタンパクへの応用としてインフルエンザウイルスの測定や、下水サーベイランスへの応用として汚水中の新型コロナウイルスの測定、他の実験系への応用を行うことで本手法が様々な方法への応用が可能であることを示したいと考える。
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研究実績の概要 |
本年度の研究として、女性ホルモンであるエストラジオールが細胞のACE2に作用して新型コロナウイルスの感染を減少させているメカニズムの解明を行った。 この研究では、アフリカミドリザルの腎臓細胞由来の細胞にヒトTMPRSS2を発現させたVeroE6/TMPRSS2細胞と新型コロナウイルスを模した模擬SARS-CoV-2を用いて、エストラジオールを添加したVeroE6/TMPRSS2細胞に模擬ウイルスを感染させると、添加していない細胞と比較して有意に感染が減少していることが分かった。また、この感染減少の要因が、細胞上のACE2が可溶性のACE2(sACE2)として、解離することで相対的に細胞上のACE2が減少しているからと仮定し、細胞培養中の細胞培養液を採取し、ELISA法によってsACE2のタンパク質量を比較した。結果、エストラジオール添加量に比例してsACE2量が増加していることがわかった。 最後にこのsACE2が感染前の模擬ウイルスに対して結合し、感染力自体を減少させているのか、模擬ウイルスとsACE2の存在を確認した細胞培養液を混合させた溶液をチオNADサイクリングELISA法を用いて測定することで結合力の有無を確認した。この結果、模擬ウイルスはsACE2量に反比例して感染力が減少していることが分かった。本研究ではこれら一連の流れを解明することができ、日本薬学会でも関心寄せられる結果となった。 また、本研究の結果ではチオNADサイクリングELISA法を使用した実験も行っている。これにより、少ないタンパク量でも測定可能となり、微量なsACE2を用いた測定を可能したことが本研究の成果にもつながっていると考えたためである。したがって本年度までの結果として一定の成果を上げたと考えている。
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