研究課題/領域番号 |
22KJ2969
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補助金の研究課題番号 |
22J23933 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
篠田 公美 麻布大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 家畜化 / イヌ / オオカミ / 探索 / 新奇恐怖 / 機能的等価性 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは約4万年もの長いあいだ、イヌと共に暮らし、生態的地位を共有してきた。この共存関係が成立するにあたり、祖先種であるオオカミからの家畜化過程で、イヌにはどのような行動形質の変化があったのだろうか。 本研究では、「他種への接近」から「他種集団に入り込む」場面を実験的に創出し、欧米犬種、和犬種、オオカミという家畜化の程度の異なる3群を用い、その行動傾向の推移を捉える。具体的には、新奇/既知刺激に対する反応配分、複数の新奇刺激からなるカテゴリ内で機能的等価性が獲得されるかどうかを比較する。また、個体の行動を調整すると考えられるホルモンを測定し、内分泌からの検討もあわせておこなうこととする。
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研究実績の概要 |
昨年度の目標は、家畜化過程で他種集団に馴染むことのできたイヌが、新奇な刺激群についてどのように学習するか調べる研究2について、予備データを取得することであった。 具体的には、恣意的な刺激カテゴリ内で機能的等価性が成立するかどうか、日本古代犬種と西洋近代犬種で比較するため、その検証方法である認知課題が遂行できるよう実験方法を確立することが目標であった。前年度では、当該課題において、イヌが反応する際のコストが大きいことが問題となっていた。したがって、液晶画面に映った視覚刺激に触れた際反応として自動記録し、その位置で即時強化できるような装置を考案および製作した。この装置を用い、西洋近代犬種での実験を実施したものの、正常に反応が記録されないという技術的問題が判明した。また、反応記録や食餌呈示などを効率化したとしても、イヌにとって視覚刺激を用いた当該課題はかなりの訓練数を要することが判明したため、課題の方法自体に抜本的な改善が必要であることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな装置を考案および製作し、適切な実験系確立に向けて研究を進めることができた。また、本実験を始める前に対象動物にとって不適当な感覚モダリティを洗い出し、方法の改善に向けた方策を立案できた。したがって、本研究計画は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究2では、機能的等価性の成立について検証する方法として、恣意的見本合わせ課題を実施する。具体的には、イヌ科動物にとって弁別が容易な匂い刺激を用いた方法を検討している。実験方法が確立した暁には、日本古代犬種および西洋近代犬種を用いた実験を開始する。また、本年度は渡米によるオオカミの行動実験を予定しており、イヌの家畜化でどのような行動形質が選択されてきたのか調べる研究1とあわせて、3群のデータを比較したいと考えている。
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