研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、iPS細胞由来運動ニューロンの分化成熟における最適な培養条件の検討を行う。また、得られた結果を活用し、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者の病態により即した疾患モデルを作成し、病態の解明と新規治療につながる研究を行う。本研究では、患者由来ニューロンを用いるため、患者の病態をより忠実に再現し得ると考えられ、正確な病態解析や治療開発が可能になると考えられる。さらに、iPS細胞由来ニューロンの分化成熟過程等の解析により、発症過程や病態の詳細な検討を行い、新たな神経変性のメカニズム解明を目指す。
これまでに、iPS細胞から誘導した運動ニューロンの培養条件の最適化を行った。また、より最適化された分化誘導法を活用し、運動ニューロン疾患(球脊髄性筋萎縮症(SBMA))患者の病態に、より即した疾患モデルを作成を目指し、病態の解明につながるような研究を行っている。運動ニューロン疾患研究でよく用いられるモデルマウスは、ヒトとの相違により、疾患モデルとして一致しない部分があった。本研究では、患者iPSから作成したニューロンを用いるため、患者の病態を、より正確に再現できる可能性がある。これにより、詳細な病態解析や治療開発につながる研究を行うことが期待される。これまでの結果を用いて、疾患iPS細胞から誘導したニューロンによる疾患モデルの作成や、さらなる解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
各種培養条件の最適化により、これまでより迅速、安定的に分化・成熟が可能になってきており、概ね順調に進捗していると考えられる。
これまでの結果を活用し、疾患特異的iPS細胞を用いたSBMAの病態モデルの構築、疾患解析研究を進めていく。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件)
Scientific Reports
巻: 13 号: 1 ページ: 8146-8146
10.1038/s41598-023-34445-9
生体の科学 増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
巻: Vol.73 No.5