研究課題/領域番号 |
22KJ3004
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補助金の研究課題番号 |
22J20370 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
吉田 知史 同志社大学, 脳科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2024年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | シナプス伝達 / シナプス小胞クラスター / エンドサイトーシス / エンドフィリン / 液-液相分離 / 脂質 / タンパク質 / 神経細胞 / 脳・神経 |
研究開始時の研究の概要 |
持続的な神経伝達はシナプス小胞膜がすばやく再回収される現象(エンドサイトーシス)によって達成される。しかしながら、神経伝達時におけるエンドサイトーシス関連タンパク質の動態制御機構に関しては不明瞭な部分が多く存在している。本研究の概要は、持続的な神経伝達を達成するために必要な現象であるシナプス小胞のエンドサイトーシスがタンパク質の液-液相分離によって制御されているのかを検証し、神経伝達時のタンパク質の動態制御機構を明らかにする。具体的には、精製タンパク質を用いた液-液相分離候補タンパク質の同定実験、培養細胞や海馬神経細胞を用いた液-液相分離現象の時空間的解析を行う研究である。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は持続的な神経伝達を達成するために必要な現象であるシナプス小胞のエンドサイトーシスがタンパク質の液-液相分離によって制御されているのかを検証し、神経伝達時のタンパク質の動態制御機構を明らかにすることである。 本年度は、昨年度より実施していたシナプス前終末におけるEndophilin A1液滴の役割を解明するための実験を引き続きおこなった。その結果、Endophilin A1液滴がSynapsin 1液滴と共存し、シナプス小胞クラスターにシナプス小胞エンドサイトーシスタンパク質を貯蔵することを発見した。また、Endophilin A1液滴が神経活動依存的に拡散・再集積を繰り返す性質も同時に発見した。これらの発見より、Endophilin A1液滴はシナプス小胞のリサイクリングを時空間的に厳格かつ効率よく進めるために必要な構造基盤である可能性を示唆した。この研究成果は学術論文として国際誌に掲載することができた(Yoshida et al, 2023, iScience.)。国際誌に上記の研究成果を掲載後、より詳細にシナプス小胞のエンドサイトーシスの分子基盤を解明するために、新たにシナプス小胞エンドサイトーシスを制御しうるリン脂質の探索を実施した。Synapsin 1液滴は負電荷のリン脂質と親和性があり、シナプス小胞クラスターを形成していることが知られている(Milovanovic et al, 2018, Science.)。探索の結果、PI(4)Pと呼ばれる脂質がシナプス小胞のリサイクリングを制御しうる可能性が浮上した。その後、得られた研究成果をまとめ、国際学会でポスター発表し、シナプス生物学を牽引する世界的な研究者と研究内容について深い議論をすることができた(Yoshida et al, 2024, JSPS Core-to-Core program.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題であるシナプス小胞エンドサイトーシスに関与しうる液-液相分離構造体(Endophilin A1液滴)を発見し、その性質を精製タンパク質を用いたin vitro相分離実験や神経細胞内でのタンパク質動態をイメージングすることによって解明し、研究成果を国際誌に学術論文として掲載することができたため(Yoshida et al, 2023, iScience.)。さらに、シナプス小胞エンドサイトーシスだけでなくシナプス小胞のリサイクリング全体を制御しうるリン脂質を薬理学的な実験から同定し、pH感受性蛍光タンパク質(pHluorin)を用いたシナプス小胞リサイクリングのイメージングや電気生理学的な実験を行うなど、本研究課題を当初の計画以上に実施しているため。
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今後の研究の推進方策 |
シナプス小胞リサイクリングや液-液相分離によって形成されるシナプス小胞クラスターを制御しうる可能性があるリン脂質の生理学的意義を解明する実験を引き続き実施し、その研究成果を学術論文としてまとめる作業に着手し始める。
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