研究課題/領域番号 |
22KJ3018
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補助金の研究課題番号 |
21J23418 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
井上 健一郎 立命館大学, スポーツ健康科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | irisin / 有酸素性トレーニング / アテローム性動脈硬化 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、運動により骨格筋から分泌する内分泌因子(マイオカイン)であるirisinがアテローム性動脈硬化発症リスクの低下に与える影響およびその分子機序を解明する。 肥満の伴うアテローム性動脈硬化モデル動物を対象として、有酸素性トレーニングにより分泌増大したirisinがアテローム性動脈硬化リスクの低下に関与するか否か、さらにその分子機序を検討する。本研究成果により、心血管疾患に対する新たな運動効果の機序解明や、エビデンスに基づいた効果的な運動プログラム開発への貢献が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、肥満に伴いアテローム性動脈硬化を発症するモデル動物を用いて、有酸素性トレーニングにより分泌増大したirisinがアテローム性動脈硬化リスクの低下に関与するか否か、さらにその分子機序を明らかにすることを目的とした。昨年度までに、有酸素性トレーニングによるirisin分泌の増加が内皮型一酸化窒素合成酵素であるeNOSタンパク発現の増加とともに血管内皮機能を改善し、血管内の脂肪沈着を抑制する可能性が示された。 今年度は、骨格筋におけるirisinの前駆体であるfibronectin type III domain containing 5(FDNC5)mRNA発現を測定したところ、ApoE欠損マウスの有酸素性トレーニングによって増加した。血中irisin濃度と骨格筋FNDC5 mRNA発現との間には正の相関関係が認められた。さらに、有酸素性トレーニングによるirisin分泌の増加がアテローム性動脈硬化を抑制する機序として、動脈血管の炎症物質を評価した。ApoE欠損マウスの有酸素性トレーニングにより、炎症性サイトカインであるtumour necrosis factor-α(TNF-α)、interleukin-6(IL-6)タンパク発現および白血球を血管壁に接着させるintercellular cell adhesion molecule-1(ICAM-1)、vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)mRNA発現は低下した。これらの結果から、有酸素性トレーニングによる骨格筋からのirisin分泌の増加がeNOSタンパク発現の増加とともに血管内皮機能を改善、血管の炎症を抑制し、アテローム性動脈硬化を抑制する可能性が示唆された。
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