研究課題/領域番号 |
22KJ3029
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補助金の研究課題番号 |
22J15452 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
篠原 史生 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 救護施設 / 生活保護法 / 精神衛生法 / 精神障害者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は戦後日本の生活保護法に規定された保護施設である救護施設における精神障害者処遇の歴史を検討する。厚生省による統計資料や通知・通達、各地の公文書館等に残された行政文書の収集と分析に加えて、日本精神病院協会の機関誌や全国救護施設協議会や家族会の会報・報告書などによって、救護施設における精神障害者処遇をめぐる精神医療関係者や救護施設関係者、家族らの動向を把握する。また、個別施設に焦点をあてて、救護施設における精神障害者処遇実践の内実も検討する。 以上の分析を通して、救護施設における精神障害者処遇の変遷を戦後日本の精神保健医療福祉体制の中に位置づけ、その役割と実践を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、戦後日本の救護施設における精神障害者処遇の役割と実践を考察するものである。今年度は、主に以下のように研究をすすめた。 1950年代の生活保護法と精神障害者処遇の関係をめぐって、精神病院退院後の生活保護精神障害者を専門的に受け入れた緊急救護施設の創設と厚生省社会局の政策形成過程をまとめ、社会政策学会の学術誌に投稿した論文「1950年代の生活保護行政と精神障害者処遇―緊急救護施設の創設と厚生省社会局の動向に着目してー」が、査読を経て、今後刊行予定の『社会政策』第16巻1号に掲載予定である。 1960年代から1980年代にいたる救護施設における精神障害者処遇の実態について、前年度に引き続き、個別の救護施設への訪問と資料調査を継続的に実施した。 東京・大阪をはじめ複数の救護施設に訪問して資料調査を行い、それぞれの施設で保管されている資料や関係者が保管している資料の閲覧・収集を進めることができた。その結果、施設内で発行されていた機関誌や新聞をはじめ、統計資料や施設関係者の個人資料、入所者に関する資料など多様な一次資料を見いだすことができた。 本研究では、全国の精神障害者を主として受け入れてきた救護施設に関わる一次資料の調査と収集作業を集中的に実施することができた。その結果、これまで見落とされてきた救護施設と精神障害者処遇、そして精神科病院との関係が新たに明らかになってきた。また、収集した資料の一部については、電子データ化処理を行い、整理作業も進めることができた。今後、これら資料を読み解き、救護施設に入所した精神障害者の社会動態や救護施設と精神科医療との関係、実践の内実を明らかにしていく。
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