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推量・推定の助動詞を中心とする古代日本語助動詞の意味研究

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3048
補助金の研究課題番号 22J00132 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分02070:日本語学関連
研究機関九州大学 (2023)
関西大学 (2022)

研究代表者

古川 大悟  九州大学, 人文科学研究院, 講師

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード推量・推定の助動詞 / 意味的体系性 / ラム / ラシ / ケラシ / ムの連体用法 / ベシ / ム / 偶然性と必然性 / 可能性と不可能性 / 意志 / 推量 / 萬葉集
研究開始時の研究の概要

推量・推定と称される古代日本語助動詞がいかなる意味的体系性をもって存在しているかを明らかにする。第一に、ム・マシ・ベシ・ラム・ラシ・ケムといった主要な推量助動詞の相互関係を、過去・回想の助動詞との関連も視野に入れて説明する。第二に、推量表現と深く関わるとりたて詞の類をとりあげ、文末の述語構成との関わりを説明する。第三に、とりわけベシの意味と漢文訓読との関係を究明すべく、訓点資料や変体漢文資料を用いてベシの多義化のありようを検討する。第四に、以上の全体にわたって、萬葉集や源氏物語をはじめとする主要な文学作品の用例について精確な考証を行い、その成果を公表する。

研究実績の概要

古代日本語における推量・推定の助動詞について、前年度には主にム・マシ・ベシの意味的関係を論じ、成果を公表したが、今年度はそれに加えてラム・ラシ・ケラシの意味的特質を明らかにし、ケム・ケリなどとの関係も論じるに至った。ラシとベシとの意味的対立のありかた、ラムとラシが近接することの原理、ラシとケリが近接することの原理を指摘した点などが、とくに重要な成果である。そのうえで、古代語の推量・推定の助動詞全体について、その意味的体系性のありかたを一つの図として提示することに成功した(萬葉学会全国大会にて発表、論文は近刊予定)。こうした研究と並行して、前年度に積み残したムの連体用法の意味のしくみを明らかにし、また、推量・推定の助動詞を論じるうえでいかなる学問的態度をとるべきかという問題についても、論考を執筆した。研究計画に示していた、ベシと漢文訓読の関係については、現在研究を進めているが、いまだ成果を公表するには至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね当初の研究計画に基づいて、順調に成果を公表することができている。ただし、当初の研究計画に加えて、意味を研究するうえでの学問的立場を明らかにする必要から、推量・推定の助動詞の意味を研究するとはどういうことかという問題について、暫定的な解答を公表することになった。これにより、当初予定していたベシと漢文訓読の関係に関する分析は、おおむね順調に進んでいるものの、今年度中に成果を公表するには至らなかった。

今後の研究の推進方策

第一に、今年度のうちに進めた研究の中で、いまだ論文化がかなっていないものを投稿し、公表する予定である。ムの連体用法の意味について、さらには、古代語において原因・理由を推量する場合にベシが現れないことについては、すでに原稿の用意を進めており、次年度の早い段階で投稿にこぎつける予定である。第二に、当初の研究計画にのっとり、助動詞ベシの意味と漢文訓読・変体漢文との相関について、文献上の多様な用例から引き続き分析・検討を進める。膨大な量の用例読解に時間がかかることが予想されるが、何らかの成果が得られ次第、学会発表あるいは論文化を行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 言語で言語を語るということー古代語助動詞研究をめぐる覚書ー2024

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      国文学

      巻: 108

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 推量の助動詞の意味的体系性についてー萬葉集の用例解釈からー2024

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      萬葉

      巻: 237

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 但馬皇女「標結へ我が背」考2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      國文學

      巻: 107 ページ: 1-16

    • DOI

      10.32286/00028026

    • URL

      https://kansai-u.repo.nii.ac.jp/records/24016

    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 萬葉集のラシーベシとの関係をふまえて2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      国語国文

      巻: 92・10 ページ: 1-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 助動詞ムの意味:意志から推量へ2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      国語国文

      巻: 92・2 ページ: 15-33

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「応久」の解釈:助動詞ベシの意味をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      萬葉

      巻: 235 ページ: 46-63

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ベシの多義性の原理について:現代語ハズダとの対照から2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      花園大学日本文学論究

      巻: 15

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「推量」認識の史的展開2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 雑誌名

      国語語彙史の研究

      巻: 42 ページ: 39-55

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 古代日本語における推量の助動詞ー原因理由句が推量の対象となる場合ー2024

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 学会等名
      第298回筑紫日本語研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 古代語ムの連体用法をどう考えるかー語彙論と文法論のあいだー2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 学会等名
      第132回国語語彙史研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 古代日本語における「推量」の意味体系ー萬葉集の用例分析を通じてー2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 学会等名
      第76回萬葉学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「推量」の意識史2023

    • 著者名/発表者名
      古川大悟
    • 学会等名
      第1回関西大学国文学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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