研究課題/領域番号 |
22KJ3055
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補助金の研究課題番号 |
22J12212 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
中越 みずき (2023) 関西学院大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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特別研究員 |
中越 みずき (2022) 関西学院大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | システム正当化理論 / 低所得層 / 投票行動 / インタビュー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の問いは「なぜ日本では低所得層が自民党に投票するのか」である。自民党政権が長期化するなか,日本の現状に目をやると,相対的貧困率も世界的にみて高水準に留まり,自民党が推進してきた雇用を通した日本型福祉も,非正規雇用の拡大によって機能不全に陥っている。こうした状況をふまえ,政治心理学の一理論であるシステム正当化理論 (System justification theory) の観点から実証研究を行い,低所得層がなぜ自民党に投票するのかを検証する。
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研究実績の概要 |
2022年度に実施した第1回目のインタビュー調査で生じた課題をふまえ,第2回目となるインタビュー調査を実施した。具体的には,インタビュー実施の前段階でのアンケート調査において,調査対象者の年齢及び世帯年収を限定した。また,インタビュー希望者のリクルート時には,インタビュー調査への参加は政治への関心や知識が十分でなくとも問題ないことを明示することで,政治に関心が低い層にもリーチできるような工夫を行った。これにより,インタビュー希望者が高年齢者や政治に関心のある者のみに偏ることなく,想定していたターゲット層にアプローチすることができた。 また,第2回目のインタビュー時には,第1回目のインタビュー時よりも,ライフヒストリーへの質問に割く時間を大幅に増やした。これにより, 対象者の有する意味世界の深い掘り下げに注力した。その結果,対象者の「政治」に対する認識や投票の理由は,必ずしも従来の政治学で想定されてきた要因に基づく訳ではなく,より心理学的な動機が反映されていることが明らかになった。さらに,対象者の語りの内容には, システム正当化プロセスの顕れとみなせるものが散見されたが,これらの顕れ方は,アメリカを中心とした既存のシステム正当化理論研究が想定するケースよりも, より微妙なニュアンスを帯びており,いわば「日本型システム正当化」とも呼称すべき性質を有していた。得られた知見は,博士論文としてまとめて提出する予定である。
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