研究課題/領域番号 |
22KJ3066
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補助金の研究課題番号 |
22J22746 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
小林 卓巳 岡山理科大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 省スペース化 / 低コスト化 / スライド・ゲート機構式サーボ弁 / 多ポート切替弁 / ハイブリッド型マルチポートサーボ弁 / 回転カム / 解析モデル |
研究開始時の研究の概要 |
家庭で使用できる流体駆動システムの開発に注目すると,人が生活する空間に必ず存在する最も身近な流体圧力源は「水道水圧」であり,その普及率は98%を超える.そこで,本研究がめざす小型&安価で水道水圧を制御できる弁が実現できれば,人の存在する環境であれば使用場所を問わない流体駆動システムが容易に実現できることになる.つまり,本研究は,液体・気体の両方が使用可能で,小型・軽量&低コストのサーボ弁の開発により,流体駆動ソフトメカニズムの将来を担う革新的な技術の開発を行う研究である.
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研究実績の概要 |
空気圧駆動の健康支援機器やアシストシステムは複数のアクチュエータを有し,圧力室の数だけ制御弁が必要となる.さらに,制御弁はシステム全体に対してサイズだけでなくコスト面でも大きなウェイトを占める制御機器である.この制御弁のサイズやコストの削減には,弁開閉のための電磁駆動機器の数を減らすことも1つの解決策である.つまり,複数のアクチュエータを1つの弁で操作できれば,大幅な省スペース化と駆動システムの低コスト化を同時に実現できる.そこで,昨年度は相対位置の変わらない封鎖空間内で,傾斜突起のついた回転カムを用いてゲートを押し,モータの回転角度に応じて流量特性を容易に調整できるスライド・ゲート機構式サーボ弁を開発した.また,ダイヤフラム等の接着によりネジ等の部品点数を削減し,低コスト化に向けた改良を行った.今年度はスライド・ゲート機構の原理を応用して,1つの弁で複数のポートが切替えられ,かつ切替ポートのアナログ的な流量調整が可能な多ポート切替弁とサーボ弁を融合したハイブリッド型マルチポートサーボ弁を開発した.また,1つの圧力センサと試作弁を用いて,3つの圧力室を有するソフトアクチュエータの圧力フィードバックシステムを構成し,ジョイスティック操作に追従するアクチュエータの姿勢制御実験を行った.その結果,本来3つの弁が必要なアクチュエータの湾曲・伸長をジョイスティックコントローラの操作にあわせた姿勢制御が1つの弁で実現できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度現在までに,開発したスライド・ゲート機構式サーボ弁をもとに,1つの弁で複数のアクチュエータの操作を切替え可能な多ポート切替え弁を開発し,さらにサーボ弁と組み合わせたハイブリッド型の弁の開発を行った.また,試作弁を用いて,圧力センサとPID制御による3室の圧力室を有するソフトアクチュエータの圧力フィードバックシステムを構成し,ジョイスティック操作によるアクチュエータ駆動実験を行った.この研究成果については,2023年度秋に国内学会にて報告・公開を行った.また,2024年10月に広島で開催される日本フルードパワーシステム学会主催の国際シンポジウムで報告するとともに同学会の国際Journalに投稿し,オープンアクセスの学術論文として一般に公開する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
本来の弁開発に関する研究は十分に進んでいるものと考え,今年度はゲート機構を用いた多ポート切替弁を用いて,自然エネルギなど小さな力を利用して,工業的に利用可能な圧力まで無理なくスムーズに圧縮できる圧縮システムの開発に従事する予定であるが,詳細は知財に関わるため公開を差し控える。
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