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ハイブリッドリポソームを用いた造腫瘍性細胞の排除に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3071
補助金の研究課題番号 22J15566 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
研究機関崇城大学

研究代表者

陳野 莉子  崇城大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード再生医療 / 造腫瘍性 / 安全性 / 品質管理 / ハイブリッドリポソーム / 造腫瘍性細胞 / 選択的排除
研究開始時の研究の概要

臓器移植における慢性的なドナー不足の課題を補う方法として、幹細胞を利用した細胞移植治療が期待されているが、再生医療における細胞移植治療では、移植細胞中に混在した未分化細胞や形質転換細胞等の造腫瘍性細胞により、腫瘍形成のリスクが生じる。本研究は、本学で開発されたハイブリッドリポソーム(HL)が造腫瘍性細胞の細胞膜流動性を認識する物理化学的特徴を利用し、HLによる造腫瘍性細胞の選択的排除を行う研究である。

研究実績の概要

再生医療では、移植細胞中に混在した未分化細胞や悪性形質転換細胞等の造腫瘍性細胞により、腫瘍形成のリスクが生じる。本研究では、本学で開発されたハイブリッドリポソーム(HL)が造腫瘍性細胞の細胞膜流動性を認識する物理学的特性を利用し、同細胞の選択的排除を目的とした。
最終年度となるR5年度は、iPS細胞由来肝細胞と肝がん細胞の共培養による悪性度の高い肝がん細胞の選択的排除について検討した。予備試験として、正常ヒト胎児肝細胞(Hc細胞)と肝がん細胞(HuH-7細胞)が混在した状況におけるHLの選択的造腫瘍性細胞の排除を観察した。両細胞が混在する場合でもHLが細胞膜流動性の大きなHuH-7細胞に優先的に融合蓄積することが示された。また、Hc細胞とHuH-7細胞の混合培養において、HLはHc細胞を残存させながらHuH-7細胞を選択的に排除することが共焦点レーザー顕微鏡観察とフローサイトメトリー解析により示された。細胞の造腫瘍性試験である軟寒天コロニー形成試験では、HL処理によって足場非依存的増殖能を有するHuH-7細胞が排除されていることが確認され、HLは正常細胞中に混在する形質転換細胞を選択的に排除できることが示された。これらの結果に関しては、筆頭著者として論文にまとめ、Cytotechnology誌(査読付き)に研究成果を報告した。
本研究では、初年度となるR4年度に、HLによる未分化細胞の排除を評価するため、分化度の低いiPS由来肝芽細胞と未分化iPS細胞の排除を検討しており、HLが未分化iPS細胞を選択的に排除できる可能性を示している。上記2年間の研究期間全体を通じて、HLの細胞膜流動性を認識する物理学的特性を利用し、HLが造腫瘍性細胞である形質転換細胞と未分化iPS細胞を選択的に排除することを示し、HLが再生医療等製品の品質管理技術として応用できる可能性を示した。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Selective elimination of tumorigenic cells from mixed culture of normal and tumorigenic cells using hybrid liposomes aimed at realizing of cell therapy2024

    • 著者名/発表者名
      Jinno Riko、Tanaka Moe、Komizu Yuji、Matsumoto Yoko、Matsushita Taku、Ishida Seiichi
    • 雑誌名

      Cytotechnology

      巻: 76 号: 2 ページ: 247-258

    • DOI

      10.1007/s10616-023-00613-y

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 再生医療への応用を目指したハイブリッドリポソームのメカニズム解明に関する検討2024

    • 著者名/発表者名
      富﨑 太飛、田中 萌、陳野 莉子、古水 雄志、松本 陽子、松下 琢、石田 誠一
    • 学会等名
      第23回 日本再生医療学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 新規ナノ粒子の制がん効果に対する細胞膜構造特性の影響に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      田中 萌、陳野 莉子、古水 雄志、松本 陽子、松下 琢、石田 誠一
    • 学会等名
      第60回 化学関連支部合同九州大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 再生医療等製品の品質管理を目指した新規ナノ粒子による造腫瘍性細胞の選択的排除に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      陳野 莉子、古水 雄志、松本 陽子、松下 琢、石田 誠一
    • 学会等名
      第22回日本再生医療学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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