研究課題/領域番号 |
22KJ3075
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補助金の研究課題番号 |
21J00139 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
筒井 大貴 沖縄科学技術大学院大学, 植物エピジェネティクスユニット, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 環境応答 / DNAメチル化 / シロイヌナズナ / ストレス / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者がこれまでに構築してきた接ぎ木技術と、少数細胞でのDNAメチル化解析技術を基盤とし、シロイヌナズナへのストレス処理によって誘導される、世代を越えて伝わるエピジェネティックな修飾(epigenetic memory)の確立過程を、生殖細胞およびそれらを生み出す茎頂分裂組織に注目して経時的に捉え、その全容を理解するものである。さらに、ストレス情報を生殖系譜の細胞に伝える遠距離シグナルの、そのメカニズムにも迫る。
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研究実績の概要 |
本研究は、シロイヌナズナにおいて少数の細胞もしくは核から、全ゲノム規模のDNAメチル化解析を行い、ストレスによって誘導されるエピジェネティックな修飾の確立過程を捉えることを目的とした。しかし、RNAと違ってDNAは1細胞あたりのコピー数が非常に少な く、これまでは技術的に困難であった。 そこで、シロイヌナズナの卵細胞をモデルケースとし、細胞壁分解酵素でプロトプラスト化して単離・回収した少数の卵細胞からのDNAメチル化解析の技術改良と、卵細胞DNAメチル化プロファイルの詳細な解析を行った。研究代表者は、これまでもバイサルファイト法を用いて卵細胞の全ゲノムメチル化解析を実施していたが、得られたリードのマップ率が低く、改良が必要であった。そこで、近年開発された「酵素変換法」による解析も試みた。酵素変換法は、TET2およびAPOBECと呼ばれる2つの酵素を使い、非メチル化シトシンをウラシルに変換することで、シトシンにおけるメチル化の有無を判定する方法である。バイサルファイ ト法に比べて穏やかな条件で反応を行うことができるので、DNAの分解が少ないとされている。その結果、バイサルファイト法に比べて高いマップ率が得られ、 シーケンスデータあたりのゲノムカバー率も高かった。さらに、卵細胞で発現しているメチル基転移酵素の変異体からも卵細胞を回収し、シーケンスを実施した。しかし、今回試した、酵素変換法をベースとした新規のライブラリ作製方法には問題点があることも明らかになったため、さらなる検討が必要である。 また、地上部においてDNAメチル化関連遺伝子の発現レベルに影響を与える貧栄養条件も見出しており、今後はその条件における茎頂分裂細胞や卵・精細胞のDNAメチル化パターンの変化についても解析する予定である。
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