研究課題/領域番号 |
22KJ3076
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補助金の研究課題番号 |
21J01369 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
真野 智之 沖縄科学技術大学院大学, 沖縄科学技術大学院大学, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ライトシート顕微鏡 / 頭足類 / 空間遺伝子発現解析 / 睡眠 / 組織透明化 / 全脳アトラス / 空間発現解析 / 光シート顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
頭足類(イカ・タコ・コウイカ)は、皮膚に配置された数千から数万個の色素胞を制御することで、表皮の模様を自在に変化させ環境に擬態することができる。しかしながら、視覚情報を処理し、擬態模様を生成するまでの一連の神経回路の構造と機能は多くが未解明である。本研究では、組織透明化法とライトシート顕微鏡イメージングという二つの最新の技術を用いることで,頭足類の全脳を高精度に三次元スキャンし,脳の空間的な遺伝子発現や細胞種の分布を明らかにし、また視覚や擬態生成にかかわる脳領域の神経投射を全脳スケールで網羅的に調べる。
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研究実績の概要 |
本年度は,前年度の研究に引き続き,イカ脳の遺伝子の空間発現を解析するための手法の検討に取り組んだ.まず,10X Genomics社のVisium空間遺伝子発現解析法をイカの視葉に適用した.いくつかの技術的問題点や,ゲノムアノテーションの不完全さによる困難があったが,それらを解決し、視葉の各領域の遺伝子発現プロファイルを網羅的に解析することに成功した.また,Visiumで得られた結果を一細胞レベルで検証するため、HCR-FISH(hybridization chain reaction fluorescence in situ hybridization)による解析にも取り組んでいる。特に、mFISH3Dと呼ばれるHCRと組織透明化法を組み合わせた方法を用いて,組織全体の三次元遺伝子発現を調べている.現在、これらの成果をまとめた論文を準備している。 また,所属研究室内でのコラボレーションの研究として,タコの睡眠についての論文をNature誌に発表した.この研究では,ヒトのREM睡眠と相同性のあるタコの"動的睡眠"状態について調べ,動的睡眠の際に活動が上昇する領域を組織透明化による三次元イメージングを用いることで同定した.同定された領域は垂直葉と上前頭葉と呼ばれる頭足類の脳で記憶・学習に関わる領域であり,今後さらなる研究の発展が期待される.
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