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障害者ケアのグローバル・ネットワーク:タンザニアにおける南アジア系組織の活動から

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3103
補助金の研究課題番号 22J00568 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

仲尾 友貴恵  国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードコージャ / 環インド洋 / 英帝国 / タンガニーカ / シーア派 / 社会福祉 / 慈善事業 / 東アフリカ / 障害者 / 福祉 / インド / アジア人 / 移民 / イギリス帝国
研究開始時の研究の概要

令和5年度は、ジャイナ教徒による障害者ケアの展開について重点的に資料を収集する。前年度までに収集したシーア派系移民による障害者ケア事業や、その他アクターによる東アフリカの障害者ケア史に関する資料の整理も継続する。年間を通じて文献収集と読解を中心とするが、東アフリカ都市やインド西部に渡航して関係者への聞き取り調査を行うことも予定している。
令和6年度は前2年度分の研究成果を突き合わせて総合的なレビューを作成する。
2年度間を通して、1年に2本程度の論文を目安として成果の執筆・公表を行い、環インド洋地域研究やアフリカ史の国際専門誌への投稿を通じて国際的学術貢献も行うことを目指す。

研究実績の概要

タンザニアにおける障害者ケアは欧米諸アクターによって牽引されてきたとする「欧米牽引論」を再検討すること、そして、現代サブサハラ・アフリカにおける障害者ケアの成り立ちをより立体的に描き出す新しい方法論を提示すること、を目的とし、このために、タンザニアにおける障害者ケア(障害者の生活にかかわる人的、物質的、経済的援助)について第二次大戦後以降のインド系住民の活動、特にシーア派系住民と新興NGO「ジャイプール・フット」に着眼し、その展開と背景について探究してきた。
第二年度は、新規調査対象としてジャイナ教徒移民に重心を置きつつ、シーア派移民についても継続して研究を深めた。4~7月は、昨年度の調査結果としてシーア派インド系移民による障害者ケアについて概観し(1回口頭発表も実施)、並行して、英帝国の間接統治の発展史に関する書評を執筆(途中で1回口頭発表)した。この作業を経て、本研究のキーワードとして「英帝国」と「コージャ」というより具体的なものを得た。コージャとは、インド亜大陸からのシーア派移民のうち特にタンガニーカや福祉に影響力をもった一派である。8月には現代タンザニアの福祉制度概説を執筆・寄稿し、11月に公刊された。
海外渡航調査は2度行った。①12月から1月にかけて1週間強ダルエスサラームで、インド系移民福祉事業関係者に障害者ケア史についての聞き取りと文献収集を行った。②3月に、東アフリカへの移民送り出し地であるインド・グジャラート州の、アーメダバード市を1週間程度訪問し、ジャイナ教やイスラーム諸派の当地での在り方や、社会構造的に支配的であるヒンドゥー文化との関係について、歴史的遺物や宗教施設の観察・訪問、聞き取り等を通して情報収集をした。
その他の期間は、フィールドで得た資料の整理や文献調査を進め、研究成果を2月に公開ワークショップにおいて口頭発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は予定通り、インド西部と東アフリカ都市におけるフィールドワークを実施することができた。限られた滞在時間の中であっても、渡航しなければ得られない情報にアクセスすることができ、渡航調査の成果が予想以上にあった。口頭発表の形での成果発表も複数回行えている。他方、論文は、1年に2本という執筆ペースは守れているが、学術雑誌への投稿には至っていない。

今後の研究の推進方策

令和6年度は予定通り、前2年度分の研究成果を突き合わせて総合的なレビューを作成することを主眼に置く。しかしながら、グジャラート州アーメダバードへの渡航調査を経て、東アフリカ都市の状況については、やはり東アフリカ都市において情報収集をする必要と重要性が再認識された。これまでの渡航調査で得た情報を踏まえた、東アフリカ都市における追加調査を予定している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 7件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] TARB書評: Mahmood Mamdani, Define and Rule: Native as Political Identity2023

    • 著者名/発表者名
      仲尾友貴恵
    • 雑誌名

      Tokyo Academic Review of Books

      巻: 59 ページ: 1

    • DOI

      10.52509/tarb0059

    • ISSN
      2435-5712
    • 年月日
      2023-10-14
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] すれ違う世界観、間を流れる福祉:東アフリカの都市の事例2023

    • 著者名/発表者名
      仲尾 友貴恵
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51(1) ページ: 164-172

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] タンガニーカ/タンザニア大陸部におけるコージャと社会福祉の実践:人々の間でどのように線は引き直されてきたか?2024

    • 著者名/発表者名
      仲尾友貴恵
    • 学会等名
      2023年度フィールドネット・ラウンジ「越境するケア:インド・アフリカ・英国をつなぐ〈社会的なもの〉の学際的考察」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 間接統治とその影響:Define and Rule (Mamdani 2012)を手掛かりに2023

    • 著者名/発表者名
      仲尾友貴恵
    • 学会等名
      第2回Global South研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] コージャとタンガニーカの社会福祉2023

    • 著者名/発表者名
      仲尾友貴恵
    • 学会等名
      MINDOWS研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] アフリカ都市における「身体障害者」の生活:非制度的社会空間にみる現代性2023

    • 著者名/発表者名
      仲尾 友貴恵
    • 学会等名
      倫理創成プロジェクト 第5回ワークショップ
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 網目としての障害者福祉と冒険:都市の障害者は「善意」をどう受け取るか2023

    • 著者名/発表者名
      仲尾 友貴恵
    • 学会等名
      アフリカの冒険的現代:偶然化に託す希望のチカラ
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 視覚障害者の生活史にむけて:ダルエスサラームでの聞き取りから2022

    • 著者名/発表者名
      仲尾 友貴恵
    • 学会等名
      日本アフリカ学会 第59回学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 『不揃いな身体でアフリカを生きる』合評会に際して2022

    • 著者名/発表者名
      仲尾 友貴恵
    • 学会等名
      『不揃いな身体でアフリカを生きる』合評会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 不揃いな身体でアフリカを生きる:路上と「障害」と物乞い2022

    • 著者名/発表者名
      仲尾 友貴恵
    • 学会等名
      第257回 アフリカ地域研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 世界の社会福祉年鑑2023 第23集2023

    • 著者名/発表者名
      宇佐見耕一・小谷眞男・後藤玲子・原島博・岡伸一・Kjell Nordstokke・春美静子・松尾加奈・藤森雄介・岡光信夫・鈴木桂樹・中益陽子・田中夏子・仲尾友貴恵ほか
    • 総ページ数
      408
    • 出版者
      旬報社
    • ISBN
      9784845118571
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] ようこそアフリカ世界へ2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤貢, 阪本拓人, 藤岡悠一郎, 佐川徹, 川口博子, 橋本栄莉, 村津蘭, 中尾世治, 武内進一, 出町一恵, 松本尚之, 川口幸大, 玉井隆, 有井晴香, 仲尾友貴恵, 眞城百華, 溝辺泰雄
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812221280
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/_yukie_nakao

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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