研究課題/領域番号 |
22KJ3111
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補助金の研究課題番号 |
22J01651 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
土井 寛大 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林研究部門 野生動物研究領域, 研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マダニ / 吸血源動物 / 野生動物 / リスクマップ / 分布予測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マダニ体内に残る宿主の血液からDNAを抽出し、遺伝子配列から、吸血源動物を検索、同定する。同時に自動撮影カメラで調査し、調査地点にマダニを運ぶ可能性のある野生動物の生息密度と照合して、マダニの生息に関与する重要な野生動物を特定する。特定した吸血源動物の検出頻度と野生動物の生息密度分布を加味することで、マダニを運んだ動物の分布から高精度なマダニの推定分布図を作成する。 このマダニ推定分布図に登山道、林道、利用者の多い環境と重ね合わせることで、マダニ刺症被害のリスクが相対的に高い地域を地図上で可視化する。
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研究実績の概要 |
各地域マダニ相を把握するために行った旗ずり法の実施では、神奈川県と茨城県南部のマダニ相調査対象地域において、これまで生息が報告されていない地域で4種(タカサゴキララマダニ、タカサゴチマダニ、ヤマアラシチマダニ、ベルルスカクマダニ)の生息を確認した。この結果によってこれまで西日本に分布するとされていた種の分布が東日本に拡大する傾向にある可能性が示された。分拡大傾向にある種が見つかったことによって、宿主動物の特定がマダニの分布拡大様式に与える影響をより明確に提示できると考えられるほか、マダニ種の分布情報が更新されたことによって、より正確な感染症リスクを示した。 採取されたマダニからPCRによる吸血減動物由来の遺伝子の検出を試みた。その結果、マダニから哺乳類の遺伝子を検出するプライマーセットを確認できた。これはマダニの生息分布について基盤的情報を充実させることに貢献したほか、哺乳類を検出するプライマーの確認は、吸血源動物を特定する手法の確立に貢献した。哺乳類宿主をPCRによって検出できることが明らかになったことから、吸血源動物の特定がマダニでも可能であることが確認できたほか、より効率的な検出のためのプライマーセットの設定を完了した。 マダニ採取地点での自動撮影カメラ調査は順調に野生動物の観察地点への往来を確認できており、種の同定及び撮影頻度の計算に関しても順調に進んでいる。 リスク可視化を目的としたマダニ推定分布図の作成については、景観情報の整備を完了したほか、試験的な種分布モデルを作成し、分布図の作成のための基盤が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
吸血源動物の特定に必要なプライマーセットの確定について、脊椎動物全般を検出するプライマーセットが良好でなかったが、哺乳類を特異的に検出するプライマーセットの設定に切り替え、概ね良好な結果を得た。 分布予測を行うための地理情報システムの配備が完了したほか、景観情報の設定と種分布モデルの作成は順調に進み、基盤設定が完了している。
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今後の研究の推進方策 |
哺乳類以外の宿主検出を可能にするため、鳥類ならびに爬虫類の宿主を検索するためのプライマーを探索する。また、前年度に引き続き自動撮影カメラによる野生動物調査と旗振り法によるマダニ採取を継続するが、予定通り多摩川流域、利根川流域などへ調査地域を広げる。 このほか、マダニからのDNA抽出と哺乳類宿主の検索、ならびに自動撮影カメラで撮影された動物種の同定を並行して推進する。
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