研究課題/領域番号 |
22KJ3120
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補助金の研究課題番号 |
21J00480 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2021-2022) |
研究代表者 |
横倉 諒 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 助教 (有期)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | トポロジー / 高次対称性 / 南部・ゴールドストンの定理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、南部・ゴールドストン (NG) 定理を、高次対称性へ一般化することである。ここで高次対称性とは、広がった物体に対する変換の元での対称性である。例えば、真空中の光子は高次対称性のNGモードとして理解できる。一方で、光子が背景アクシオン場やカイラル化学ポテンシャルなどのローレンツ対称性を破る背景場とトポロジカルに結合すると、光子が不安定になりうることが知られている。本研究では不安定NGモードの存在や、不安定性の解消機構を対称性の観点から普遍的に解明することを目指す。特に宇宙論や弦理論への応用を念頭に、曲がった時空中で背景場と結合したNGモードの不安定性について研究する。
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研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き、連続的高次対称性の自発的破れに伴う南部・ゴールドストン (NG) モードが外場とトポロジカルな結合を持つ時に現れうる不安定性について議論した。特に、NGモードの不安定性の解消機構について一般的に議論した。この機構は系の最終的な安定性を議論するために重要である。 本研究では、NGモードに現れる上記の不安定性は解消されうることを一般的に示した。理論的枠組みとして、高次対称性のNGモードおよび背景場として導入していた場を力学的自由度として記述できる無質量反対称テンソルゲージ理論を考えた。この理論においても、背景電場を一般化した一様な背景場のもとでゲージ場に不安定モードが生じることを、分散関係の解析により確認した。そして、背景場を初期条件で持つ場の時間発展を、運動方程式および不安定モードの平面波展開により議論した。その結果、不安定モードのダイナミクスによって、初期条件の背景場を弱める方向に系が時間発展し、不安定性が解消されうることを線形解析の範囲内で示した。さらに不安定モードで増幅された場は、一般化磁気ヘリシティと呼ばれる、絡み数で特徴づけられたトポロジカルな量を持つことを、運動方程式から導いた。この一般化磁気ヘリシティは、「非可逆対称性」と呼ばれる逆元を持たない一般化対称性を用いて理解できることを示した。 本研究により、高次対称性のNGモードの不安定性は解消されうることが一般的に示された。本研究で得られた一般化磁気ヘリシティを持つゲージ場を不安定性によって生成する機構を、現実的な模型に応用することが期待される。 上記の研究に加えて、4次元アクシオン電磁気学における非可逆高次対称性、偶数次元のアクシオン電磁気学における可逆な高次対称性、ハドロン相における量子異常と高次群構造の解析、非相対論的系における dipole 対称性についての研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究において未解決だった不安定な南部・ゴールドストンモードの解消機構について、一般的に議論することができた。さらに、磁気ヘリシティの生成機構も一般化することができ、非可逆対称性との関連についても解明することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で得られた不安定な南部・ゴールドストン (NG) モードの存在やその解消機構を、重力場が存在する場合に拡張する。この拡張は、高次対称性のNG定理を宇宙論や超弦理論に応用するために重要である。先行研究によって知られている、重力場が存在することによってNGモードの分散関係が変わり、不安定モードが消える模型を手掛かりに、重力場中の不安定NGモードの存在やその解消機構を対称性の観点から一般的に論ずる。
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