研究課題/領域番号 |
22KJ3121
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補助金の研究課題番号 |
21J00894 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
藤田 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 学振特別研究員 (50923471)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リグニン / トランスポーター / 物質生産 / 細菌外膜 / 外膜トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
植物細胞壁の主要な構成成分であるリグニンは、地球上に最も豊富に存在する芳香族資源である。本研究では、リグニンに由来する多様な芳香族化合物を有価物に集約的に代謝するSphingobium sp. SYK-6株の細胞外膜において、リグニン由来芳香族化合物を取り込むTonB-dependent transporterの取り込みメカニズムをクライオ電顕単粒子解析より明らかにする。さらに、メカニズムの解明により、基質認識を変化させた、取り込み能を向上させた改変トランスポーターの作出に挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究では、リグニン由来芳香族化合物を取り込む外膜トランスポーターの構造解析を行い、その取り込みメカニズムを解明する。その後、構造に基づいた変異導入によって、基質に認識や取り込み能を改変したトランスポーターの作出を目的とした。申請者らが同定したトランスポーター(ddvTとphcT)を大腸菌で発現させ、精製タンパク質を取得した。精製タンパク質を用いて結晶化スクリーニングを行ったが、結晶化条件を得ることができなかった。そこで、結晶化が不要な構造解析手法であるクライオ電顕を用いた単粒子解析によってこれらの構造を明らかにすることにした。界面活性剤に可溶化条件を複数検討し、PhcTとDdvTの構造解析を行ったが、構造機序の理解に十分な分解能の構造が得られなかった。そこで、ナノディスクに再構成したPhcTとDdvTを用いて、300 kVのクライオ電顕であるTitan KriosG4によるデータセットの取得を行った。その結果、PhcTについては、基質との複合体構造が3.4オングストロームで得られた。現在、構造精密化を行っている段階である。DdvTについては、6オングストロームの構造が得られ、概形が確認できたが、基質や基質結合部位の詳細までは判断できない分解能であった。また、精製タンパク質を用いて、PhcT、DdvTと相互作用するTonBの同定を行った。等温滴定型熱量測定により、PhcT、DdvTとTonB1、TonB2との結合親和性を評価したところ、PhcT、DdvTはTonB1と相互作用することが判明した。したがって、これらのTonB依存的な取り込みにはTonB1が関与することが示された。
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