研究課題/領域番号 |
22KJ3123
|
補助金の研究課題番号 |
21J01117 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
濱田 佑 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | トポロジカルソリトン / 電弱スキルミオン / 暗黒物質 / ヒッグス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、トポロジカルソリトンをはじめとする場の量子論の非摂動論的効果に着目して、暗黒物質や強いCP 問題などの素粒子物理に おける未解決問題に整合的な解を与えることである。現在までのLHC実験などの実験結果を踏まえると、素粒子標準模型(SM)をいたずらに拡張していくのではなく、最小限の拡張に留めるのが自然である。そのような最小限の拡張をした理論であっても、非摂動論的に見るとトポロジカ ルソリトンに関連した豊富な物理現象を予言する可能性がある。 本研究では、まず拡張模型においてどのような非摂動論的現象が生じうるかを研究する。その後、それらの宇宙論・現象論的応用に向けた研究を行う。
|
研究実績の概要 |
本年度は、いくつかの模型におけるトポロジカルソリトンの性質を調べた。コールマンワインバーグ機構に基づく対称性の破れをもたらす模型における宇宙ひもと呼ばれるトポロジカルソリトンの性質を調べた。この模型ではコールマンワインバーグ機構によって量子効果により始めてU(1)対称性が自発的に破れ、それにより宇宙ひもが生じる興味深い模型である。この宇宙ひもの相互作用は通常の宇宙紐と大きく異なることを見出した。また、超伝導宇宙ひもと呼ばれるソリトン上のカレントの安定性を解析した。宇宙ひもが曲がっている場合、カレントが安定でなく崩壊してしまう現象が知られていた。我々はその崩壊率を詳細に計算し、宇宙論に与える影響を定量的に評価した。
また、擬南部ゴールドストン暗黒物質と呼ばれるタイプの暗黒物質模型についても研究した。擬南部ゴールドストン暗黒物質は現在の暗黒物質の直接検出による制限を逃れつつ、熱的残存量により暗黒物質の残存量を説明できる模型である。この模型においては暗黒物質の熱的残存量のみでなく、宇宙ひもから生じる暗黒物質も宇宙に残る可能性があるため、その残存量を評価した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、いくつかの模型におけるトポロジカルソリトンの性質を調べた。コールマンワインバーグ機構に基づく対称性の破れをもたらす模型における宇宙ひもと呼ばれるトポロジカルソリトンの性質を調べた。また、超伝導宇宙ひもと呼ばれるソリトン上のカレントの安定性を解析した。また、擬南部ゴールドストン暗黒物質と呼ばれるタイプの暗黒物質模型についても研究した。 これらの研究は順調に進展した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も同様にトポロジカルソリトンの性質を明らかにしていく予定である。その際、トップダウン・ボトムアップの両面から、あらゆる可能性を視野に臨機応変に研究を遂行していく。
|