研究課題/領域番号 |
22KJ3125
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補助金の研究課題番号 |
22J01023 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
金澤 知器 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 半導体光触媒 / 助触媒 / 時間分解測定 / XAFS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では半導体光触媒表面に担持した助触媒の、光励起した際の構造や電子状態の変化を可視化するために、時間分解型X線ビームステーションを用いた助触媒担持半導体光触媒への時間分解XAFS測定を行う。これにより光励起時の、助触媒の化学状態や構造状態の変化を観測する。
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研究実績の概要 |
研究初年度の成果として、光触媒粉末懸濁液を用いた、時間分解XAFS実験の基礎的なセットアップを整えた。また、モデル材料を用いて時間分解XAFS実験を行った結果、光照射中の助触媒の電子状態が変化する様子を観測することに成功した。以下に、詳細を述べる。 助触媒としてCoとIrの酸化物種、可視光応答をする半導体光触媒としてN,F共ドープTiO2 (TiO2;N,F)を用いて、Co or Ir酸化物担持TiO2;N,Fを調製した。調製した試料について、水の酸化反応に対する光触媒活性を調べた結果、Co及びIrの酸化物種は光触媒的な水の酸化反応の助触媒として働いていることを確認した。このような試料について、光触媒表面に担持されたCoとIrの酸化物種の、光照射後の電子状態を調べるために、研究実施に合わせて申請したPF-AR NW14Aを用いた実験課題(2022G021)の中でポンププローブ型時間分解XAFS測定を行った。結果として、CoとIrの双方で、光照射に伴い担持金属種内に正孔が生成していることが示唆された。 助触媒内部の正孔生成と失活に関するキャリアダイナミクスを調べるために、ポンプレーザー光とプローブX線の同期を変化させた時間分解XAFS測定についても行った。結果として、Ir酸化物種を担持した場合は光照射直後数psで正孔が生成し1 ~ 100 ns程度の数成分の寿命で失活する様子が見られた。他方でCo酸化物種では、光照射後500 nsかけて正孔が生成した後、100 nsを超える寿命で失活する様子が見られた。このように、担持物によって正孔の振る舞いが大きく異なることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進行状況については、概ね計画書に記載した流れで順調に進行している。その根拠として2022年度においては、光触媒粉末懸濁液を用いた時間分解XAFS実験の基礎的なセットアップ構築、並びにモデル材料を用いて時間分解XAFSによる半導体-助触媒間の電荷移動の観測に成功したためである。これらの成果については、研究計画書に記した計画の前半部分に相当し、今年度以降取り組む『助触媒の活性を決定する要素を時間分解XAFSから探る』実験に向けて必要不可欠な土台となるものである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以降は、昨年度までの実験で構築した時間分解XAFS測定のセットアップを用いて、触媒合成条件が活性に与える影響を、時間分解XAFSから評価していくことを目標とする。 助触媒を構成する金属種や担持量などの条件を変化させると、光触媒活性が変化することが知られている。このような活性が変化する原因について、助触媒表面での酸化還元反応速度の他に、半導体から助触媒へかけての正孔や電子の移動に何らかの違いが生じている可能性がある。そのため担持条件を変化させた際の正孔移動速度への影響を調べる。また助触媒担持条件を変化させた試料について、実際に光触媒的な水分解反応を行い、正孔移動速度の変化と実際の触媒活性との関係性を明らかにする。
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