研究課題/領域番号 |
22KJ3130
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補助金の研究課題番号 |
21J01016 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
日高 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 1分子蛍光イメージング / 光シート顕微鏡 / プロテオミクス / 1細胞解析 / 電気泳動 / 免疫沈降 / マイクロ流路デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質は細胞内機能の担い手であり、その網羅的な定量であるプロテオーム解析は、がん化や細胞分化における分子基盤の理解や疾病のバイオマーカー探索に活用されている。その中で、1 細胞プロテオーム解析の開発は集団機能における細胞個性の役割について重要な知見を与えると期待されるが、増幅が可能な核酸とは異なり技術的課題が多く、報告が少ない。本研究では、マイクロ流路デバイスにより1細胞内に含まれるタンパク質を蛍光標識し、電気泳動と超高感度顕微鏡用いた 1 分子蛍光観察を組み合わせることで、多数の細胞から同時にタンパク発現パターンを取得できる 1 細胞プロテオーム解析法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、1細胞免疫沈降、電気泳動によるタンパク質分離、光シート顕微鏡を用いた1分子観察による超高感度定量を組み合わせることによって、1細胞プロテオーム解析システムの開発を目指している。2023年度は実験プロトコルの最終調整と得られた泳動パターンを細胞間で比較する画像解析パイプラインの作成を行った。 まず実験プロトコルについては2022年度にある程度確立していたものの、1つのビーズ当たりに結合できるタンパク質分子数が少ないという問題を抱えていた。そのため1細胞由来のタンパク質を1つではなく複数の磁気ビーズで捕捉し、それらのビーズをペレットとしてゲルに包埋した状態で回収することで、1細胞情報を保ちながら多くのタンパク質分子を観察することが可能になった。またサンプル調製時の溶液除去をプレート遠心で行うことで、多くの1細胞サンプル(プレート当たり約100サンプル)を調製できるようになった。 画像解析についてはサンプルごとに取得された泳動パターンを細胞間で比較するため、1. 粒子検出による分子数の定量、2. マーカーとなるタンパク質バンドをもとにしたスケーリング、3. スケーリング後の泳動パターン用いた主成分解析とクラスタリング解析を行うパイプラインを作成した。これにより細胞集団内のsub-populationやそれを特徴づけるタンパク質の分子量領域を検出することができる。 開発したシステムが有効であることを示すため、異なる化合物で処理したHeLa細胞に本システムを適用したところ、主成分解析によって化合物処理ごとに泳動パターンがある程度分割できることが明らかとなった。本研究は投稿準備中であり、令和6年度中の投稿を目指している。
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