研究課題/領域番号 |
22KJ3132
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補助金の研究課題番号 |
21J01349 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
Sarper Safiye Esra 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | symmetry / radial / bilateral / evolution / body plan / morphology / タテジマイソギンチャク / 無性生殖 / 対称性 / 放射相称 / 左右相称 / 刺胞動物 / 発生進化 / 再生 / 分節構造 / 形態 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の対称性はボディープランの基礎をなし、器官配置に現れる最も基本的な形質である。動物は単純な放射相称の動物から複雑な左右相称の動物に進化したと考えられてきた。しかし、対称性が多様化する機構はまだ解明されていない。本研究ではタテジマイソギンチャクにおいて放射相称と左右相称個体の混在を発見した。そこで、タテジマイソギンチャクを使い、対称性が多様化する機構を探る。器官配置の際に放射相称と左右相称の個体を比較し、多様な対称性出現の背景を探る。
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研究実績の概要 |
動物の対称性は、器官の配置に表れる最も基本的な特徴であるが対称性が多様化する機構はまだ解明されていない。私たちは刺胞動物であるタテジマイソギンチャク(イソギンチャク目)の形態に注目し、左右対称個体と放射相称個体が同じ種内で共存していることを発見した。この発見をもとに、異なる対称性を持つ個体がどのようにしてできるかを実験と数理モデルを使い解析し、動物界の対称性多様化機構を明らかにすることを目指した。そのため、本研究ではタテジマイソギンチャク体の再生過程を実験室で安定的に再現する実験方法を確立した。この方法では、タテジマイソギンチャクの体の一部を切り取り、シャーレで培養することで再生過程を再現することができた。また、この方法を用いて、複数の個体において胃袋や口の器官配置の時空間パターンをKeyence・Zeiss顕微鏡で観察した。 放射相称種の器官配置についての定量的な解析や、放射相称な器官配置を生み出す機構に関する記述は少ない。そのため、タテジマイソギンチャク(放射相称個体)の再生過程を解析すると並行して他種の放射相称性を解析した。そこで、私たちは放射相称性を示すヒドロ虫綱(刺胞動物門でイソギンチャク目の後に分岐している)の種に注目し、その中でもタマウミヒドラの近縁種(Coryne uchidai)の器官配置(触手配置)を定量的に解析した。解析の結果、C. uchidaiのポリプは、四つの触手が等角度でリングを作り、各触手の長軸方向の位置に周期4を示す四放射相称でした。一方、三放射相称と五放射相称もみられ、種内での多型性が確認された。また、放射相称の多様性は個体のサイズと相関しており、五放射相称のポリプの直径は四放射相称個体よりも大きく、四放射相称個体は三放射相称のものよりも大きかった(Sarper et al.、2023年)。
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