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自閉症者の刺激の時間情報処理に関する柔軟性の低下と事象間の因果知覚の頑健性

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ3150
補助金の研究課題番号 21J01032 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分90030:認知科学関連
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

金子 彩子  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 特別研究員(PD) (50916129)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード自閉スペクトラム症 / ASD / コミュニケーション / 時間
研究開始時の研究の概要

円滑に外界の状況を理解するためには、時間に関する知覚が重要である。一般に時間の情報処理様式は、繰り返し提示された刺激の影響を受けて変化することが知られている。一方で、自閉スペクトラム症者ではそのような時間知覚の柔軟な変化が生じにくいとする報告がある。本研究では、実験により時間に関する情報処理の変化の生じにくさを測定し、それが時々刻々と変化する外界において生じる事象の理解を妨げる要因になるか検証する。

研究実績の概要

時間に関する知覚は、事象間の因果関係や連続性の理解や他者とのコミュニケーションに重要な役割を持つ。時間の知覚は常に一定であるよりも変化しやすいことが知られており、非同時な視・聴覚刺激であっても繰り返し提示されることで、刺激間の時間差に順応し、同時だと感じる点(主観的同時点)が移動する。したがって、円滑に外界の状況を理解するために、人は情報の時間に関する処理のスタイルを柔軟に変化させていると考えられる。一方で、そのような時間差への順応は自閉スペクトラム症(ASD)者では起こりにくいことが報告されている。このことから、ASD者の適応性の個人差には時間情報処理の動的な変化の生じにくさが関係すると予想した。本研究では、ASD者における知覚的な時間情報処理に関する変動の生じにくさが、外界の状況の理解を阻害する一因となるかを検証することを目的とした。令和5年度は昨年度に引き続き、言語コミュニケーションにおける時間処理様式として発話速度の知覚に着目した。発話速度が自分と同じ者に対する印象は好意的になりやすく、また違う発話速度の者に対しては自身の発話速度を同調させる傾向が知られている一方で、ASD者はそのような同調が生じにくいと報告されている。ASD者における同調の生じにくさが、他者の発話速度の違いに気がつきにくく、印象が変化しにくいことから生じると仮説を立て、検証を行った。現在までに定型発達者16名、自閉スペクトラム症者14名分のデータを取得した。違う速度の刺激に対する同調の生じやすさ・発話速度の違いへの気がつきやすさ・発話速度の違いに伴う印象の変化に群差は見られなかった。一方で、ASD者は発話速度がより遅く、また遅い発話速度と社会的場面での適応的な振る舞いに関する難しさと関連した。これらのことから、発話の速度の違いが他者との関わりに重要な役割を持つことが示唆された。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Sensory and Social Subtypes of Japanese Individuals with Autism Spectrum Disorders2022

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Ayako、Ohshima Remi、Noda Haruka、Matsumaru Tomoko、Iwanaga Ryoichiro、Ide Masakazu
    • 雑誌名

      Journal of Autism and Developmental Disorders

      巻: - 号: 8 ページ: 3133-3143

    • DOI

      10.1007/s10803-022-05577-0

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Role of verbal communication: A perspective on speech rate perception2023

    • 著者名/発表者名
      Ayako Kaneko
    • 学会等名
      ASCAPAP2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] “定型発達らしい”コミュニケーションを規定する知覚要因に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      金子彩子
    • 学会等名
      日本発達心理学会 第33回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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