研究課題/領域番号 |
22KJ3214
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補助金の研究課題番号 |
22J01568 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
野木森 拓人 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難病・免疫ゲノム研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | T細胞 / 免疫老化 / 非ヒト霊長類モデル |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に高齢者では、健康成人と比較して、加齢に伴って免疫システムが個体レベルで変化しうることが知られており、「免疫老化」という言葉で表現されている。免疫老化現象について、すべての免疫担当細胞が加齢により変化しうることが示唆されているが、特にT細胞の変化が顕著であることが報告されている。以上の背景を踏まえて、本研究では、加齢に伴う免疫老化現象を、特に組織中のT細胞の機能変化に着目して分子レベルで解析し、その実態を個体レベルで解明することで、年齢に応じた高齢者用新規感染症ワクチン開発や免疫療法の開発に繋げる研究基盤を構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度はNaive T細胞の上流である造血幹細胞に関して解析を行った。具体的には、若齢サル5頭、高齢サル6頭の骨髄液から得られた全ての細胞についてsingle-cell RNA-seq (scRNA-seq)解析を行った。まずそれぞれの検体の特徴を掴むために主成分分析 (PCA)を行ったところ、若齢サルはそれぞれ類似した特徴を示したが、高齢サル同士は主成分析上の距離が遠いことが明らかとなった。つまり骨髄細胞は加齢に伴い、多様化することが示唆される。また造血幹細胞のマーカーであるCD34を指標にして各細胞をクラスター分けしたところ、高齢サルでひとつのクラスターが増加していた。このクラスターに特徴的な遺伝子に関して、Gene Enrichment解析を行ったところ、p53パスウェイ、DNAダメージ、アポトーシスに関わる遺伝子が高齢サルに特徴的なクラスターで高発現していることを明らかにした。以上の結果から、造血幹細胞は加齢に伴いp53パスウェイやDNAダメージが更新し、その分化後のNaive T細胞に影響を与えている可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、カニクイザル検体由来の造血幹細胞についてSingle-cell RNA-seqを行い、データ解析まで完了した。
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今後の研究の推進方策 |
高齢サルの造血幹細胞で見られた特徴が、その下流のNaive T細胞に継承されているか検証する。
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