研究課題/領域番号 |
22KK0001
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 博司 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (20230427)
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研究分担者 |
保坂 俊司 中央大学, 国際情報学部, 教授 (80245274)
千代延 大造 関西学院大学, 理学部, 教授 (50197638)
田中 鉄也 中京大学, 国際学部, 准教授 (60736982)
油井 美春 関西学院大学, 国際学部, 准教授 (50634440)
工藤 さくら 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 外来研究員 (20846753)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
2026年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 移民と宗教 / マレーシア / シンガポール / 東南アジア / 南アジア / 日本 / 共存と共生 / 包摂型社会 / アジア / 多文化社会 / エスニシティ / 宗教間理解 / 宗教間対話 / 移民 / 宗教 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、グローバル化や移民活動の活発化等により人口構成の多様化が進む世界と日本の現況を踏まえ、エスニシティと宗教問題を焦点に、集団間の共生を脅かすメカニズムと調和的関係の構築に向けた方策を探究する、問題提起と問題解決とを指向する実践的研究である。 本研究は、典型的な多宗教・多民族社会であるマラヤ地域を重要な先行事例と位置づけ、宗教間宥和と平和構築の問題を専攻するマレーシアの宗教学者を海外共同研究者(Dr. I. Yusuf)に迎え、博士が所属する国際イスラーム大学イスラーム思想文明国際研究所(ISTAC-IIUM)と共同での研究を進めていく。
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研究実績の概要 |
2023年度は新型コロナウィルスの流行も沈静化した正常化1年目ということで、研究活動も比較的順調に推移した。年度第1回研究会を、7月22、23日の両日、研究分担者・田中鉄也准教授が所属する中京大学にて開催し、2日目には、クレシ サラ好美氏(宗教法人名古屋イスラミックセンター渉外担当理事)を講師にお招きして、「日本に暮らすムスリム第二世代」の演題で講演いただくとともに、日本南アジア学会にも公開して10名程度の外部参加者の参加も得た。 2023年8月には、海外共同研究者の所属するマレーシア国立国際イスラーム大学附置国際イスラム歴史文明研究所(ISTAC-IIUM)を訪れ、退職した前任者イムティヤズ・ユスフ准教授に替わって、同研究所長のアブドゥルアジーズ・ベルグアウト教授に役割を引き継いでいただき、今後の研究活動について意見交換をおこなった。 12月にはマレーシアのペナン州ジョージタウンから、本研究プロジェクトのスタートアップ論集 Away from Home: Immigrants' Identity in Cross-cultural Settings を上梓し、各分担者・協力者および関連する研究者に配布した。 2024年2月26日には、東京の東北大学東京オフィスにおいて年度2回目の研究会を開催し、午後には東洋大学の高橋典史教授に講演いただき、南アジア学会からの参加も見た。 本研究プロジェクトのホームページ(https://sites.google.com/view/7jdq6tnz/home)を立ち上げ、プロジェクトが開始後半年を経過した2023年度初めから運用を開始し、研究計画全体の概容と目的、研究組織、活動状況、研究成果などについて情報を載せるとともに、Galleryの項目を設け、フィールドワークの現場からの諸々の話題を散りばめて、調査研究の内容を広報するよう努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度はプロジェクトが開始されて半年経っての年度であり、コロナ禍等もあって躊躇されていた対面での研究会を名古屋と東京の計2回開催することができた。久々の対面でのコミュニケーションを図りながらの討議となったが、同時にZOOMを用いたハイブリッド型を採用し、学会に呼びかけて外部からの参加者も得たことは、研究公開の観点からも喜ばしかったと思う。 本研究プロジェクトは、単に海外との共同研究を志向するものではなく、日本の将来の多元社会化を見据えて、海外の先行事例から諸経験を学び取ろうという趣旨も有している。このことから、日本での外国人問題に詳しい研究協力者も研究チームに積極的に迎えるなど、広く外部にも開放されたプロジェクトとして、将来的には政策提言の可能性も視野に入れて研究活動を展開している。2023年12月に上梓した英文論集には、研究分担者4名のほか、研究協力者4名が執筆陣に加わり、計8名による論攷が収載されている。 以上のように、開始当初はコロナ禍の影響を被って、出足こそやや遅れたものの、2年目の2023年度には遅れを取り戻して順調な軌道に復しつつある。 研究協力者としては、従前からの岡光信子(中央大学)に加え、島貫悟(芝浦工業大学等非常勤)、Trishit Banerjee(東北大学)、Andi Holik Ramdani(橋本財団)、Tran Thi Tuyet(ユアテック)、Premalatha Karupiah(マレーシア科学大学)が新たに参画している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降、原則的に本来の計画に沿って調査・研究を進めていくが、不幸なことにウクライナ戦争などの外的要因もあって全世界的に渡航費(現地滞在費を含む)が高騰しており、計画作成時点に比べ海外調査について予算的な制約が生じている。今後は、調査地を絞るか滞在日数を短縮するかなどの工夫を講じるとともに、より効率的な調査に徹する必要があろう。 2023年12月にマレーシアから英文論集を上梓したが、日本で印刷・製本するのに比べ廉価での作成が可能であることから、経費節減の観点から、今後の成果論集の作成等については海外も選択肢に含めるつもりである。 以上を含め、研究計画の後半にさしかかるにあたり、成果公開の手段等を常に念頭に置きながら、調査・研究を進めていくことにしたい。
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