研究課題/領域番号 |
22KK0008
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北川 千織 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (10844798)
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研究分担者 |
佐藤 丈寛 金沢大学, 医学系, 助教 (10558026)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 古代エジプト / 中エジプト / 宗教 / 動物考古学 / パレオゲノミクス / 動物ネクロポリス |
研究開始時の研究の概要 |
古代エジプトでは宗教と動物の関係は深く、各土地の神と関連づけられた動物種はミイラにされ、エジプト各地のネクロポリスや墓に奉納された。特にグレコ・ローマ時代にはそれが非常に盛んであった。本研究は、日本・ドイツ・エジプトの共同調査・研究で、古代エジプト、グレコ・ローマ時代の宗教および関係する動物利用から、社会の一端を復元することを目的とする。ケーススタディとして中エジプトに所在する動物ネクロポリス、動物墓、動物儀礼の遺構を含む3つの遺跡(ゲベル・アシュート、ツナ・エル・ゲベル、コム・エル・ロリ)の共同調査を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、古代エジプトのグレコ・ローマ時代の宗教および関係する動物利用から、シェーン・オペラトワールの概念を用いて社会の一端を復元することを目的としている。ケーススタディとして中エジプトに所在する動物ネクロポリス、動物墓、動物儀礼の遺構を含む3つの遺跡(ゲベル・アシュート遺跡、ツナ・エル・ゲベル遺跡、コム・エル・ロリ遺跡)の共同調査・研究を行う。 共同調査・研究に参加するのは、日本からは金沢大学のチーム(研究代表者および分担者の3名)、ドイツのルートヴィヒ・マキシミリアンス大学ミュンヘン(共同研究者)とベルリン自由大学、エジプトのソハーグ大学とエジプト考古省マラウィ市インスペクトレイトの研究者・インスペクターらである。また、考古学、エジプト学、パレオゲノミクス、地球物理学など異なる学問的伝統を統合し、文化遺産と記憶を調査・研究・保存するための総合的アプローチで研究課題に挑む。 2022年度は、過去に行われたゲベル・アシュート遺跡とツナ・エル・ゲベル遺跡の関連データの確認及び再評価を行い、翌年度に予定しているのフィールド調査の準備を行なった。共同研究者らとは対面会議およびインターネットを通じた遠隔会議を行なっている。 加えて、古代エジプトにおける宗教への動物利用に関する比較研究のため、ベルリンエジプト博物館収蔵庫に収蔵されている動物ミイラの調査を行なった。今年度はそれらのマクロの調査(肉眼による観察、計測、2D写真撮影)を行い、動物ミイラの動物種やミイラ制作の技術的な側面を上記3遺跡で出土する資料と比較する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度(10月から3月)の研究実施計画は、翌年度の3遺跡の調査準備にあてており、概ね順調に進んだと考えている。共同研究機関との連携に関しては、研究代表者と共同研究者ら(Ludwig-Maximilians-Universitaet Munich/Freie Universitaet Berlin/Sohag University)との定期的な会議を実施した。研究代表者と研究分担者らとの打ち合わせも必要に応じて行なっており、2023年度のフィールド調査に向けて情報共有を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度にはエジプトにおける上記3遺跡の調査を予定している。春(4月)に予定していたツナ・エル・ゲベル遺跡の動物ネクロポリス調査許可が調査開始予定時期までにおりなかったため、2023年晩秋へ延期する予定である。従って、同時期に予定している(近隣に位置する)コム・エル・ロリ遺跡の調査も秋に延期になった。 ゲベル・アシュート遺跡に関しては調査許可が出ているので、当初の予定通り8・9月にフィールド調査を行う。研究代表者は動物遺体の分析と記録を行い、分担者の覺張も調査に参加予定で、 現地で出土動物の試料採取からシーケンスを行う。バイオインフォマティクスは分担者佐藤により金沢大学で行われる予定である。
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