研究課題/領域番号 |
22KK0011
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
王 維 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (10322546)
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研究分担者 |
陳 天璽 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (40370142)
岡野 翔太 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 招へい研究員 (40942412)
廖 赤陽 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (50308045)
伍 嘉誠 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (90808487)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 東アジア / 華僑・華人 / 文化交流 / 社会秩序 / グローカル / ネットワーク / 国際連携 / 長崎華僑 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東南アジアを含む東アジア域内交流の中で、長崎華僑の歴史過程をどのように多面的に構築することができるのか、かつて長崎華僑が社会で共有する知識=<知域>はアジア地域秩序の形成にどのように関係していたのか、長崎華僑研究はアジア移民史研究の全体に対する意義とは何か、などの問いに焦点を合わせながら、個別の専門領域を超えた総合的研究を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、東南アジアを含む東アジア域内交流の中で、長崎華僑の歴史過程をどのように多面的に構築することができるのか、かつて長崎華僑が社会で共有する知識=<知域>はアジア地域秩序の形成にどのように関係していたのか、長崎華僑研究はアジア移民史研究の全体に対する意義とは何か、などの問いに焦点を合わせながら、個別の専門領域を超えた総合的研究を目指す。 これまでの実績を基に長崎華僑史の取り組むべき二つの研究課題がある。第1に、長崎華僑のネットワークが、現代のグローバリゼーションに対応した地域形成の参照軸としての歴史モデルであるべきこと。日本と中国、東南アジアの華僑華人の歴史的な関係から、現代東アジアの変動のダイナミズムを考察するための学術的示唆を獲得する。第2に、グローカル視点の長崎華僑史研究であるべきこと。グローバルとローカルのスケールが融合しながら変動する現代世界の動態を華僑華人のネットワークの視座から理解するうえで、長崎華僑史研究は有益な事例である。 2022年10月からスタートした本研究では、①②の課題に対して、東南アジア、中国の華僑研究者と対話を図り、新しい長崎華僑史を探求する。これにより、日本で蓄積されてきた長崎華僑史研究を東アジア広域史研究として体系化する。2022年12月、2023年3月に長崎とクアラルンプール、及び本研究の重要な海外拠点であるシンガポール南洋理工大学華裔館で研究会議を開催した。これらの研究会議では、シンガポールと中国の華僑研究者との国際連携の体制を構築するための研究活動の一環として、研究対話と研究成果の報告、研究動向などの情報交換を行い、学際的な視点から資料収集や研究調査の課題と方向性を議論した。研究会議以外、マレーシア、シンガポールにおける華人組織と華人研究センター、台湾中央研究院などにおいて、関連する文献調査と現地調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は採択期間によって、2022年10月から研究調査を開始した。日本、シンガポールと中国の研究者によって組織された研究体制であるため、①研究体制のあり方と方向性について検討する必要性、②海外拠点の体制構築の必要性がある。そこで東南アジア、中国の華僑研究と対話を図り、日本とマレーシア、そして本研究の海外拠点であるシンガポール南洋理工大学華裔館で研究会議を開催した。日本長崎会議はシンガポールと中国の華僑研究者との国際連携の体制を構築するための研究活動の一環として、研究対話と研究動向などの情報交換を行い、学際的な視点から資料収集や研究調査の課題と方向について議論する。クアラルンプールの会議では、台湾中央研究院及び日本武蔵野美術大学の研究者から中央研究院に保存されている長崎華僑商号の資料、特に東南アジアに関する資料及び研究動向について報告を行った。華裔館では東南アジア華人研究専門家と意見交換をした。研究会議以外、マレーシア、シンガポールにおける華人組織と華人研究センター、台湾の研究機関などにおいて、関連する文献調査と現地調査を実施した。これらの調査成果の一部として、2023年12月にタイで開催されるISSCO(世界海外華人研究学会)の会議にも報告する予定である。 以上の理由によって、本研究はおおむね順調に進展しているのではないか、という結論に至った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究テーマに関連する調査は主に中国福建、シンガポール、台湾、香港、長崎、神戸、横浜各地で実施する。主な調査テーマは、①華僑の<知域>ネットワークの変遷と展開、②日本と中国(大陸、香港、台湾)および東南アジア社会の地域間関係と華僑文化の変容と創造(宗教儀礼、華僑のライフヒストリーと地域生活史、華僑子女教育など)。 今後の調査計画は次のようである。文献・史料発掘調査。国内:長崎歴史文化博物館(海外交流史・地域文化)、長崎大学東南アジア研究所(旧植民地関係)、横浜開港資料館、神戸華僑博物館(日本華僑史や商業史)、東洋文庫。海外:福建省政府、福建師範大学福建・台湾関係地域研究センター、台湾中央研究院、香港中文大学、シンガポール国立大学、シンガポール国家図書館、華裔館(華僑研究機関)、マレーシア華社研究センター。現地調査は国内(横浜、神戸、大阪、長崎など)、海外(シンガポール、マレーシア)各地域における華僑・華人組織団体を中心に実施する。
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