研究課題/領域番号 |
22KK0018
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
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研究分担者 |
吉川 卓郎 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (30399216)
渡邊 駿 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (40828563)
池端 蕗子 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 准教授 (70868249)
佐藤 麻理絵 筑波大学, 人文社会系, 助教 (80794544)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | ヨルダン / 社会的レジリエンス / 世論調査 / 中東 / 地域研究 / イスラーム / シリア難民 / 権威主義 / 中東地域研究 / アラブ諸国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、周辺国の紛争や難民流入、COVID-19の感染拡大といった危機下に置かれてきたヨルダンにおける社会的レジリエンスの実態について、インフォーマルな資源配分に着目しながら解明するものである。現地研究機関との共同研究の推進を通じて、①イスラームのモスクやキリスト教会などの宗教組織、②歴史的・地理的に発展してきた部族・氏族のネットワーク、③国内・国際NGOの3つの活動を対象に、文献調査、現地調査(フィールドワーク)、世論調査による実証研究を行う。これは、東アラブ諸国に関する理解の解像度を高めるだけでなく、社会や政治の変化によって生じる危機への対処に関する一般的な知見を引き出すことにつながる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、スタートアップの期間として、次の5つを実施した。 第1に、研究代表者であり理論と方法面での統括者である末近が、ヨルダン大学戦略研究所(CSS)のワリード・ハティーブ氏の研究チームとの現地調査実のための窓口となり、現地への訪問(11月)を通して、フィールドワークにおける調査対象の選定と世論調査における質問票の作成を進めた。 第2に、日本側のメンバー全員でのオンライン研究会(ZoomとSlackを使用)を実施し(11月、1月、2月、3月)、本研究課題のトピックである「社会的レジリエンス」の概念と理論について、およびそのヨルダンでの状況について、主にこれまでの研究成果を元に議論を重ねた。 第3に、研究分担者の役割に応じた体制、すなわち、池端(宗教組織)、吉川と渡邊(部族と氏族)、佐藤(国内NGOと国際NGO)に基づき、ヨルダンでの個別現地調査を実施した。 第4に、これらの知見を踏まえて設計された質問票を用いて、ヨルダン全土を対象とした世論調査を実施した(3月)。その際、政治的なデリケートな質問に対する回答を得るために実験的手法を用いた。 第5に、国内外のジャーナルへの投稿や研究会・学会での報告を通して、研究代表者および分担者による個別の研究成果公開を進めた。また、2023年度に開催される国際学会へのパネル組織・応募を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際共同研究のパートナーとなる現地研究機関であるヨルダン大学戦略研究所との密なコミュニケーションを確立し、研究代表者および分担者による直接訪問を含む議論の機会を予定以上につくることができたため。そして、2023年度に実施する予定であった世論調査を2022年度末に前倒し実施することができたため。 また、研究代表者が長期滞在している英国においてヨルダン専門家や研究者とのネットワーキングを進展させることができた結果、日本とヨルダンとの国際共同研究に加えて、第三国である英国の最新の研究成果を反映することが可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降は、研究代表者と分担者によるフィールドワークと2度目の世論調査を実施する予定である。豊富なデータを収集した上で、ヨルダンにおける「社会的レジリエンス」の実態把握の精度を高めていく。また、その成果については、国際学会でのパネル組織・報告や、ヨルダン大学でのワークショップの開催を通して発信し、同国の研究者からのフィードバックを得ていく。 なお、現地社会の文脈に強く依存するインフォーマルなセクターの活動の評価については、現地研究者とのさらなるコミュニケーションが必要となることから、日本、ヨルダン、英国のいずれかにおいてシンポジウムを開催するなど、議論を深める機会を設けていく。
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