研究課題/領域番号 |
22KK0033
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
嶋津 百代 関西大学, 外国語学部, 教授 (90756868)
|
研究分担者 |
田嶋 美砂子 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (10837553)
榎本 剛士 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 准教授 (30582192)
松田 真希子 金沢大学, 融合科学系, 教授 (10361932)
神吉 宇一 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (40726551)
|
研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 日本語教育 / 言説分析 / 言語教育観 / 批判的言語教育 / 世界の日本語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、批判的教育を実践する日本語教育の国際共同研究ネットワークの定常的な構築と言語教育全体のパラダイム転換、そして公正な社会への変革を目指す取り組みである。本研究では、日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・韓国・ブラジルの6カ国において日本語教育に関わる言説を収集し、それらに根づく言語教育観を捉え、普遍性と独自性の双方の観点から各国の課題を見出す。そして「言語教育観」教育のためのプログラムを開発し、教師と学習者が共に参加するワークショップを設計する。ワークショップの実施と検証を繰り返し、プログラムの改善を図るとともに、参与者の言説の変容も検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・韓国・ブラジルの6カ国において日本語教育に関わる言説を収集し、それらに根づく言語教育観を捉え、普遍性と独自性の双方の観点から各国の課題を見出すことを目的としている。昨年2022年10月より開始した本研究は、2023年3月までの間に、以下の取り組みを実施した。 (1)2022年度は、日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・韓国・ブラジルにおける日本語教育の歴史的背景や特性について文献調査を行った。この調査を土台にして、2023年度は、各国の海外協力者にそれぞれの教育現場での現状を講演していただく予定にしている。また、本研究の代表者・分担者それぞれがフィールド調査とインタビュー調査のための準備を行い、2023年度以降の海外での調査に臨む。 (2)2023年3月に、韓国において言説収集とインタビュー調査を行った。現地の日本語教育がどのように語られているかを考察するために、大学や日本語教育機関において資料を収集した。同様に、大学の日本語教員や学生に対するインタビューでも、韓国の日本語教育について説明を受けた。これらの調査の成果は、2023年度に発表・論文化する。 (3)2023年度に日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・韓国・ブラジルにおける日本語教育関係者にアンケート調査を行うため、2022年度はアンケートの質問事項を作成した。2023年度の上半期に日本においてパイロット調査を行い、アンケート自体の妥当性と信頼性を検証する。 (4)本研究を通して得た資料を公開し共有するためのウェブサイト構築を開始するため、ウェブサイトの構想について検討を重ねた。2023年度の上半期に本研究のウェブサイトを開設する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年10月に開始した本研究は、研究計画当初の予定通り、一定の成果を上げることができている。具体的には、本研究の代表者・分担者が、日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・韓国・ブラジルにおける日本語教育の歴史的背景について文献調査を開始し、2023年度以降の海外現地調査に必要な基礎的作業も進行中である。2023年3月には、韓国で言説収集、および大学の日本語教員や学生へのインタビュー調査を終えており、2023年度の他国における調査への足場がけができている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施した文献調査やインタビュー調査の成果については、2023年9月1-3日にオーストラリア・シドニーで開催される豪州日本研究学会研究大会で「イデオロギーの変容の資源としての言説分析―異質なものとの共生に向けて―」というパネルセッションを組み、本研究の一部の分担者および海外協力者による発表を予定している。 本研究の2年目である2023年度の目標は、日本語教育に関する「言説とイデオロギーの調査・分析」である。2023年度は、日本・アメリカ・オーストラリア・台湾・韓国・ブラジルにおいて日本語教育関係者への質問紙調査を行い、各国の日本語教育の特徴や歴史的経緯、学習者のニーズなどを明らかにする。質問紙調査に並行して、各国の海外協力者による、それぞれの日本語教育関連現場の現状に関する講演を予定している。 また、2023年度は、本研究の代表者・分担者がオーストラリアと台湾に渡航し、現地の日本語教育機関の参与観察、および教師や学習者、日本語教育関係者などへのインタビュー調査を実施する予定である。これらの調査を通して、日本語教育に関する言説を収集・分析することで、各国の言語教育観の可視化を図り、検討すべき課題を特定していく。
|