研究課題/領域番号 |
22KK0035
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
川上 竜樹 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (20546147)
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研究分担者 |
藤嶋 陽平 静岡大学, 工学部, 准教授 (70632628)
高橋 仁 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (40813001)
向井 晨人 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特任研究員 (70912319)
ZHANPEISOV ERBOL 沖縄科学技術大学院大学, 幾何学的偏微分方程式ユニット, ポストドクトラルスカラー (70962653)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 退化放物型方程式 / 非局所作用素 / 臨界指数 / 爆発問題 / 可解性 / 非局所拡散方程式 / 時間非整数階微分 / 特異性 / 非局所拡散現象 / 分数冪拡散方程式 / 非局所放物型方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
近年, 様々な事象を背景とする異常拡散現象, 特に非局所拡散現象の数理科学的な取り扱いが理論・応用の両面から求められている. 本国際共同研究では, 非局所拡散現象に関連する非局所構造を有する偏微分方程式, 特に放物型方程式について, 非線形問題への応用に注視した解の構成や評価を通して, 多角的・多面的視野に立った非局所構造に由来する放物型方程式の新潮流の創出と確立を行う.
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研究実績の概要 |
今年度は新たに研究分担者として沖縄科学技術大学院大学の Zhanpeisov Erbol 氏を加え、前年度の渡航によって明確化した個々の問題について研究を進めた。 まず、川上は海外研究協力者の Yannick Sire 氏とともに、彼の博士後期課程の指導学生である Jiayi Nikki Wang 氏の指導に従事し、3名による共同研究として、退化係数を有する非線形拡散方程式について、時間大域可解性を決定する臨界指数を導出した。この問題は分数冪ラプラシアンの半空間への調和拡張によって与えられる重み付き作用素を有する時間発展方程式に端を発したものであり、ここではより一般の重み関数を含む枠組みにまで結果を拡張した。これは、非局所構造の局所化への影響をより広い枠組みで扱うことに成功した一例と言え、今後の展開が期待できる結果と言える。本研究成果はすでに国際雑誌に投稿し、掲載が確定している。 また、非局所構造を有する放物型方程式の可解性の新展開として、臨界指数を有する半線形分数冪拡散方程式の可解性について、東京大学の石毛和弘氏、東北大学の猪奥倫左氏と共同研究を行った。結果として、既存の Zygmund 空間を基とした新たな関数空間を導入することで、これまで関数空間的な取り扱いが困難であった初期値を含む空間を決定し、最適な十分条件を与えた。この結果により、非線形境界条件や時間非整数階微分を有する拡散方程式などの他の非局所構造を有する問題への確かな足掛かりが得れられたと言える。本研究成果についてもすでに国際雑誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果の面として、本研究課題のきっかけの一つとなった退化係数を有する非線形拡散方程式についてこれまでの結果を包括する結果を導出できたということ、また、研究分担者それぞれも精力的に研究を行い、国内外の研究集会で講演を多数行えていることなどはおおむね順調に進んていると評価できる。 また昨年度の Johns Hopkins 大学への渡航を契機として交流が始まった Wuhan大学のYifu Zhou 氏を龍谷大学および東京工業大学に招聘し、若手研究者との交流の促進と国際ネットワーク形成が行えた点については当初の計画以上に進展していると言える。 また、9月に川上と分担者の藤嶋氏で渡航し、Sire 氏との共同研究である退化係数を有する非線形放物型方程式の爆発問題について綿密な議論と、今後の指針について確認を行えたことは次年度に向けて非常に大きかったと言える。 一方で、若手研究者である Zhanpeisov 氏には上記の渡航を皮切りに、本年度9月からの中期的な渡米を予定していたが、ビザ取得の関係で渡航を延期せざるを得なくなり、本年度中の渡航は叶わなかった。 以上の理由から今年度については"おおむね順調に進展している"と言える。
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今後の研究の推進方策 |
まずは藤嶋氏、Sire氏との共同研究である退化係数を有する非線形放物型方程式の爆発問題に関する研究を推進する。まずは国内において、藤嶋氏と綿密な研究連絡を行い、その後、可能であれば年度内に渡航または Sire 氏を招聘することにより、対面による研究連絡を行う。 高橋氏については、Zhou 氏との連携強化に努めてもらうとともに、 臨界ノルム爆発問題の非局所作用素に対する展開を模索する。具体的には川上とともに分数冪拡散方程式や非線形境界条件などへの応用を検討する。 Zhanpeisov 氏については、再度渡航に向けて準備を進めていただき、可能な限り本年度中に渡航し、Sire 氏との連携を開始していただく。また、川上とともに時間非整数階微分を含む拡散方程式について、可解性の臨界空間に関する解析を行う。
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