研究課題/領域番号 |
22KK0039
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
小林 政弘 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (30399307)
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研究分担者 |
高橋 宏幸 東北大学, 工学研究科, 講師 (30768982)
東郷 訓 筑波大学, 数理物質系, 助教 (80779603)
向井 清史 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (90632266)
森田 繁 核融合科学研究所, その他部局等, 名誉教授 (80174423)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 磁場トポロジー / 放射冷却 / トロイダルプラズマ / 熱的不安定性 / 装置間比較 / 世界展開 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合炉の実現に向けて、装置壁への過大な熱負荷の軽減は必須の解決課題である。もっとも有力な解決手段として、水素燃料以外の粒子(不純物と呼ばれる)を導入し、不純物多価イオンの放射冷却効果を利用する方法が試行されている。本研究課題では、閉じ込め磁場のトポロジーを変移させ、放射冷却効果を倍増させる新手法を用いる。この手法を異なる閉じ込め磁場配位の装置に応用し、高温プラズマ周辺部のより効率的な放射冷却手法の確立とそのメカニズムの一般化を行う。これによって核融合炉の装置壁熱負荷軽減に寄与するとともに、磁場構造と高温プラズマの熱的不安定性を連結するプラズマ物理の体系化を目指す。
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研究実績の概要 |
中国科学院プラズマ物理研究所を訪問し、EASTトカマク装置に2次元イメージング分光器、1次元分布計測分光器の設置作業を行った。本計測器の設置により、周辺部の不純物発光分計測が可能になった。2023年12月~2024年3月にかけてのEAST実験でデータ収集を行い、不純物発光分布の動的変化を観測した。計測結果については、6月に先方が核融合科学研究所を訪問する際に議論する予定である。 ドイツのマックスプランク研究所との共同研究として、W7-Xステラレータ装置の周辺プラズマシミュレーションを進めた。外部印加摂動磁場強度を変化させ、磁気島の大きさを変えた場合についてシミュレーションを進めた。新たに設置したイメージングボロメータで不純物による放射損失分布の計測を開始すると同時に、トモグラフィーによる再構成の準備を進めた。また、外部導入された窒素の発光スペクトルによりプラズマパラメータを評価するためのコードの準備を行い、LHDの実験データについて解析を始めた。 デュッセルドルフ大学のM.Z. Tokar氏とともに、周辺磁気島がある場合にプラズマの加熱方法の違いによる放射損失への影響を解析し、電子共鳴加熱と中性子入射加熱では大きく異なることを示した。 また、LHD、W7-X、EAST以外のトカマク・ステラレータ装置を含めた周辺プラズマ輸送の装置間比較活動を立ち上げ、関係者と対面・リモートによる打ち合わせを行った。これに関連して、量子科学技術研究開発機構のJT-60Uの周辺部のプラズマ輸送シミュレーションを行い、不純物輸送への運動論的効果について解析を行った。 以上の成果により、異なる磁場配位を有する装置における計測・シミュレーションが進展し、磁場トポロジーが放射損失分布形成に及ぼす影響について研究する基盤の整備が進んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
W7-X、EAST装置の研究者と密に連絡を取りながら今後の共同研究についての準備を進めた。LHD, W7-X, EAST以外の装置との比較活動についても議論を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
中国科学院プラズマ物理研究所のEASTトカマクについては、新たに設置した分光器によるデータ収集と解析を進める。外部摂動磁場を印加した実験提案を行い、同実験での不純物スペクトルの空間分布の計測を進める。 ドイツ マックスプランク研究所のW7-Xステラレータについては、周辺プラズマ輸送のためのグリッドの最適化を進めて磁気島の大きさを変化させた時の放射冷却への影響を調べる。同様の実験についてボロメータ計測を行い、シミュレーションとの比較を行う。 窒素スペクトルによる衝突輻射モデルの準備を進め、LHD等の実験データに適用する。
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