研究課題/領域番号 |
22KK0043
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
富田 賢吾 東北大学, 理学研究科, 准教授 (70772367)
|
研究分担者 |
杉村 和幸 北海道大学, 理学研究院, 助教 (10773856)
岩崎 一成 国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 助教 (50750379)
高棹 真介 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90794727)
|
研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 星形成 / 分子雲 / 銀河系 / 磁気流体シミュレーション / 分子雲形成 / 原始惑星系円盤 / 磁気流体力学 / 数値シミュレーション / 銀河 |
研究開始時の研究の概要 |
星形成は銀河スケールから星スケールまで、非常に大きなスケールの範囲に渡る現象であり、これらのスケール間は双方向かつ密接に関係している。更に、星形成は重力をはじめとして磁気流体力学、輻射輸送、乱流、化学反応、非理想磁気流体効果など非常に多様な物理過程が絡み合う極めて複雑なシステムである。本研究では国際共同研究で新たなシミュレーションコードを開発し、これを用いて銀河系全体から原始惑星系円盤に至るマルチスケールなシミュレーションにより星形成過程の一貫したモデルを構築する。
|
研究実績の概要 |
本研究では数値シミュレーションにより、銀河円盤スケールから原始惑星系円盤スケールに至る星形成過程の一貫したモデルを構築することを目的としている。そのために必要な多数の物理過程を含む数値磁気流体シミュレーションコードAthena++を、米国Princeton大学・高等研究所を中心とする国際協力で開発している。 今年度は、銀河スケールにおける分子雲形成の大規模シミュレーションの第一段階として、銀河円盤における磁場の分布や進化を調べるために、重力ポテンシャルを外場として与えた高解像度磁気流体シミュレーションを実施した。初期に与えた弱い磁場が銀河の差動回転及び磁気回転不安定性によって増幅され、準定常的な状態を実現することができた。結果の詳細は現在解析中であるが、初期磁場が強い場合に銀河円盤の上部に磁気圧で支えられた領域ができるなど、初期磁場の強度によって銀河円盤の鉛直方向の構造が変化することがわかった。今後は現実的な星形成・超新星爆発のフィードバックモデルを実装し、更に自己重力を取り入れて銀河スケールでの分子雲形成の研究に進める。 コード開発では、今後大スケールから小スケールのシミュレーションへと接続するために必要なZoom-inシミュレーション機能をAthena++に実装した。今後この機能を用いて、分子雲形成シミュレーションから原始惑星系円盤形成に接続する計算を実施する予定である。また、本研究でも使用する自己重力ソルバについての論文(Tomida and Stone 2023, ApJS)を出版した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コード開発と、それを用いた銀河スケールの分子雲・星形成シミュレーションを進めており、概ね想定通りの進度であると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
まず現在実行中の銀河スケールの磁気流体シミュレーションについて、今年度中に結果を取りまとめて論文として出版したい。その結果を踏まえ、現実的な星形成・超新星爆発のフィードバックモデルを実装し、自己重力も含めた銀河円盤のシミュレーションを実施する。また、今年度開発したZoom-in機能を用いて、分子雲形成シミュレーションを初期条件として、現実的な分子雲形成から原始惑星系円盤に至る星形成のシミュレーションを実施したいと考えている。 フィードバックモデルを中心として、コード開発に当たっては引き続きPrinceton大学及び高等研究所のグループと連携して開発を進める。
|