研究課題/領域番号 |
22KK0048
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富谷 進 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 特定助教 (90847419)
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研究分担者 |
飯島 正也 名古屋大学, 博物館, 学振特別研究員(CPD) (40867892)
半田 直人 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸員 (60792009)
高井 正成 京都大学, 総合博物館, 教授 (90252535)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 脊椎動物 / 多様性 / 化石記録 / 疎林化 / 環境変動 / 森林減少 / 脊椎動物相変遷 / 新生代 / 北アメリカ / 東南アジア |
研究開始時の研究の概要 |
新生代の北半球では、森林の減少に伴って脊椎動物相の構成が大きく変化してきたことが知られているが、様々な分類群を結ぶその内部機構は十分に理解されていない。本研究では、疎林化とともに哺乳類や爬虫類の多様性が科や目の分類群レベルでどのように共変動するのかを、化石記録から読み解く歴史的変遷と現在における地理的パターンをマクロな視点から分析することで、統合的に明らかにする。幅広いキャリア・ステージに属する研究者から成る環太平洋4カ国共同チームで行う本研究は、動物相形成過程の基礎的な理解を深めるだけでなく、長期的な視点から生物多様性保全の道標となる知識を開拓することが期待される。
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研究実績の概要 |
2023年度には代表者・分担者および国内外の研究協力者(若手・大学院生を含む)あわせて12名で、日本、アメリカ、ミャンマー、イギリス、中国の5カ国において標本資料の共同調査を行い、国際連携がさらに強化された。本研究課題では、中期始新世の北アメリカと新第三紀の東南アジアで森林減少にともなって起こった脊椎動物多様性の変動機構の解明を目指している。その基盤となる分類学的データの収集・整理を継続するとともに、骨格形態にもとづく古環境の推定も開始した。サイ類およびカメ類に関する分類学的な研究結果を論文出版し、国内外の複数の学会で関連成果を報告した。 アメリカでは、カリフォルニア大学古生物学博物館、アメリカ自然史博物館、イェール・ピーボディ博物館、フィールド自然史博物館、国立自然史博物館(スミソニアン協会)の脊椎動物化石コレクションの調査を行い、特に本研究課題に関連する哺乳類および爬虫類化石の同定と記載分類を進めた。北アメリカ・中部始新統ワシャキー層産出の脊椎動物相の研究では、昨年度よりも調査対象となる層位の範囲を拡大し、より幅広い年代の化石産出情報を整理することができた。また、化石の安定同位体分析のための打ち合わせ、資料の選定、サンプリングを実施した。 ミャンマーでは考古局を訪問し、後期中新世から前期更新世にかけての動物相の変化について調査を行った。 イギリスでは、ロンドン自然史博物館で新生代インド、パキスタン、マダガスカル産出のワニ類化石の観察及び計測を行った。 中国では、ワニ類化石が産出する山東省の王因遺跡を訪問した。 日本国内では、哺乳類現生種(主にタヌキ)の骨格標本を多数計測し、古環境推定方法の発展を視野に入れた骨長比モデルの構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際情勢および急激な円安の影響で海外調査が当初想定していたよりも困難になっているが、在外共同研究者の協力のもと、分類学的データの収集と解析は広範囲で進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、ミャンマーおよびアメリカでの標本調査を継続するとともに、オーストラリアのクイーンズランド博物館と中国の古脊椎動物・古人類学研究所で、新生代のワニ類化石を観察予定である。また、在米共同研究者の協力を得て、中部始新統ワシャキー層産出化石の安定同位体分析を実施し、古環境の推定を進める計画である。
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