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レーザー技術による海洋構造物の実環境を考慮したねじ締結体の遠隔自動軸力検出

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0053
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

細矢 直基  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40344957)

研究分担者 山田 雄平  東京工業大学, 工学院, 研究員 (20914659)
前田 真吾  東京工業大学, 工学院, 教授 (40424808)
梶原 逸朗  北海道大学, 工学研究院, 教授 (60224416)
橋村 真治  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90290824)
研究期間 (年度) 2022-10-07 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2025年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワードねじ締結体 / 軸力検出 / 解析モデル / 機械学習 / レーザー技術 / 軸力 / 表面処理 / レーザーアブレーション
研究開始時の研究の概要

ねじ締結体の軸力管理は,打音試験法などにより行われている.どれも検査員の重労働に依存しており,遠隔かつ自動による軸力検出が期待されている.過去に,多くの軸力検出手法が検討されてきたが,極めて理想的な状態において軸力検出を検討してきた.洋上風力発電機をはじめ,多くのインフラ構造物のねじに施されている表面処理を無視している.本研究では,機械学習とレーザーアブレーション加振による非接触遠隔計測を融合する.そして,実構造物に用いられる表面処理が施されたねじ締結体を有する実機モデルに対して,軸力検出を試みる.

研究実績の概要

緩んでも緩まなくても困る,矛盾している機械要素がねじ締結体である.軸力の管理は,打音試験法,トルクレンチ法,超音波法などにより行われている.どれも検査員の重労働に依存しており,遠隔かつ自動による軸力検出が期待されている.過去に,多くの軸力検出手法が検討されてきた.研究代表者も同様である.しかし,これらの研究では,極めて理想的な状態において軸力検出を検討してきた.洋上風力発電機をはじめ,多くのインフラ構造物のねじに施されている表面処理(メッキ等)を無視している.表面処理は,締結時の摩擦特性など,軸力管理に大きな影響を及ぼす.学術的「問い」は,過酷な環境で用いるための表面処理(数百マイクロメートル程度)が施されたねじ締結体の軸力検出を,過去に検討されてきた方法で実現できるのか,これを遠隔で行い,機械学習により自動化できるのか,である.本研究では,イギリス,Edinburgh大学のGiorgio-Serchi先生,Garcia Cava先生らの研究チームの機械学習と,細矢らのレーザー加振技術による非接触遠隔計測を融合する.そして,実構造物に用いられる表面処理が施されたねじ締結体を有する実機モデルに対して,軸力検出を試みる.
令和4年度は,ねじ締結体の解析モデルを構築した.この解析モデルでは実験モデルを再現できない条件があった.令和5年度は,イギリス側では,軸力を考慮したねじ締結体の,より詳細な解析モデルを検討し,そのモデルの有効性を検証した.また,日本側では,3本のボルト,2枚の長方形平板で構成されるねじ締結体を製作し,実験モデルを構築した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者は,既報で軸力とねじ締結体のナットから突出したねじ部(ねじ突出部)の固有振動数との関係を実験的に明らかにし,これにより軸力検出を実現した.そのときの条件は,1本のボルトを有するねじ締結体,ボルトの表面処理は膜厚がおよそ0.5マイクロメートル程度と薄い四酸化鉄被膜,被締結物の固有振動数や被締結物間の摩擦の影響を排除するために一体成形された立方体形状の被締結物を使用した.令和4年度は,被締結物内部のボルトの軸部とねじ突出部(従来では無視された部分)をオイラーベルヌーイはり,ボルトヘッドとナットの部分を回転ばねと並進ばねで支持された解析モデルとし,ボルトに作用している軸力を考慮した.本研究および従来の解析モデルにより得られた軸力とボルトの固有振動数との関係を比較したところ,ある条件においては,これらの解析モデルは,実験モデルと一致しないことがわかった.
令和5年度は,イギリス側では,ボルトヘッドやナットの位置を詳細に考慮したモデルを構築し,軸力の推定精度を改善した.また,計算負荷が少ない簡便な解析モデルも構築した.日本側では,実験モデルをより複雑なものに変更した.ねじ締結体のボルト本数を3本,ボルトの表面処理の膜厚が数百マイクロメートル程度の溶融亜鉛メッキ(過酷な環境向け),被締結物の固有振動数,被締結物間の摩擦の影響を考慮するために2枚の長方形平板(長さ150 mm,幅50 mm,厚さ19 mm)の被締結物とした.3本のボルトの中で1本だけ軸力を変化させ,振動実験を実施したところ,軸力とねじ締結体の固有振動数に相関があることを確認した.

今後の研究の推進方策

本研究で構築した解析モデルの妥当性を,研究代表者の既報において得られた実験データと比較評価することで検証できた.これらの内容をまとめ,Mechanical System and Signal Processing (IF: 8.4)に投稿した.今後は,より少ない実験データ,具体的には,軸力がほとんど低下していない状態から,軸力が大幅に低下した状態を予測できる解析モデルを構築する.
レーザー加振技術を用いることで,ねじ締結体の軸力検出を非接触遠隔計測で実施する.
令和5年度のねじ締結体(ボルト3本)に対して,軸力とねじ締結体の固有振動数に相関があることを明らかにした.しかし,固有振動数が多数存在するため,どの固有振動数がどのボルトの緩みに起因するものであるか,区別できていない.このデータを詳細に解析することで,ねじ締結体の軸力検出および軸力が変化したボルトの特定を試みる.また,実験モデルの構築および解析モデルの検証のため,ボルトの軸部が200 mm程度,1本のボルトで構成されるねじ締結体を検討する.ボルト軸部を長くすることで,この固有振動数が数kHz程度に低下することから,解析モデルと実験モデルの比較が容易になることが予想される.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)

  • [国際共同研究] University of Edinburgh(英国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] The University of Edinburgh(英国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Lamb waves evaluation in CFRP plates with laser shock wave technique2023

    • 著者名/発表者名
      Hosoya Naoki、Mita Masakatsu、Lecointre Lea A.C.、Tonegawa Shota、Higuchi Ryo、Yokozeki Tomohiro、Takeda Shin-ichi
    • 雑誌名

      Structures

      巻: 58 ページ: 105566-105566

    • DOI

      10.1016/j.istruc.2023.105566

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Physics informed gaussian process for bolt tension estimation2024

    • 著者名/発表者名
      Dashty Samal Rashid, Francesco Giorgio-Serchi, Naoki Hosoya, David Garcia Cava
    • 学会等名
      11th European Workshop on Structural Health Monitoring (EWSHM 2024)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Characterization of Lamb wave propagation in CFRP plates with a stiffener2024

    • 著者名/発表者名
      Mamoru Suyama, Masakatsu Mita, Lea A.C. Lecointre, Ryo Higuchi, Tomohiro Yokozeki, Shin-ichi Takeda, Naoki Hosoya
    • 学会等名
      The 17th International Conference on Motion and Vibration Control (MoViC 2024) and the 20th Asia-Pacific Vibration Conference (APVC2021)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 果物の熟度評価のための装着型ソフトアクチュエータ2024

    • 著者名/発表者名
      笹野翔太郎,磯貝航,前田真吾,細矢直基
    • 学会等名
      日本機械学会機械力学・計測制御部門D&D2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Estimation of bolt tension using transverse natural frequencies of the shank and protruding end2023

    • 著者名/発表者名
      Dashty Samal Rashid, Francesco Giorgio-Serchi, Naoki Hosoya, David Garcia Cava
    • 学会等名
      XII International conference on structural dynamics (EURODYN 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] レーザー加振技術により生成されたLamb波を用いたヤング率の計測2023

    • 著者名/発表者名
      三田正勝,富田裕亮,平田幸太郎,細矢直基
    • 学会等名
      日本機械学会機械力学・計測制御部門D&D2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] レーザーインパルス加振力の制御2023

    • 著者名/発表者名
      桑田堅叶,長谷川登,錦野将元,細矢直基
    • 学会等名
      日本機械学会機械力学・計測制御部門D&D2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 天然ゴムを用いた振動センサ2023

    • 著者名/発表者名
      藤牧礼欧,前田真吾,新竹純,細矢直基
    • 学会等名
      日本機械学会機械力学・計測制御部門D&D2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Estimation of bolt tension using transverse natural frequencies of the shank and protruding end2023

    • 著者名/発表者名
      Dashty Samal Rashid, Francesco Giorgio-Serchi, Naoki Hosoya, and David Garcia Cava
    • 学会等名
      XII International conference on structural dynamics (EURODYN 2023)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-10-11   更新日: 2024-12-25  

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