研究課題/領域番号 |
22KK0060
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
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研究分担者 |
十亀 陽一郎 福島工業高等専門学校, 化学・バイオ工学科, 助教 (60769850)
柳原 未奈 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 特別研究員 (70844942)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | デング熱 / 東南アジア / ネッタイシマカ / ゲノム / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ネッタイシマカのデングウイルス感染・複製への抵抗性を決めている遺伝子をマーカーとして、デングウイルス伝播ポテンシャルが高い蚊地域集団を見つけ、それらを狙い撃ちにした殺虫剤散布などの効率的なデング熱制御手法を提案することである。東南アジアのデング熱流行都市で野外調査を行い、ネッタイシマカ地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の有無とデングウイルス感染率・体内濃度の関係などを検証することで、抵抗性遺伝子に着目した効率的なデング熱制御手法を提案する。
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研究実績の概要 |
今年度は、以下二つの研究項目を中心に研究を進めた。 研究項目1(蚊ゲノムのウイルス抵抗性遺伝子の網羅的探索):CRISPR-Cas9でネッタイシマカの遺伝子を欠損させたネッタイシマカ培養細胞ライブラリーの構築のために、まずAag2細胞に感染するレトロウィルスを産生できるレトロウィルスベクターの系構築に着手した。まず、プロモーターIE1を有するプラスミドPIExを蚊の細胞(Aag2、C6/36)と哺乳類の細胞(BHK、vero)の両方にトランスフェクトした。その結果、蚊の細胞で緑色蛍光色素(GFP)の発現が確認された。次に、プライマーを設計し、逆転写PCRとInFusion HDクローニングによりIE1プロモーターをレトロウイルスベクターpRetroQ-AcGFP1-C1にクローニングした。このIE1プロモーターを持つ改変pRetroQ-AcGFP1-C1をトランスフェクションしたが、Aag2細胞ではGFPの発現が見られなかった。今後、クローニングやリピートクローニングのために設計したプライマーを変更したり、クローニングしたプラスミドの濃度を変えてトランスフェクションを行う必要があると考えられる。 研究項目2(蚊地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の多様性評価):フィリピンのマニラ首都圏とインドネシアのジョグジャカルタでネッタイシマカを採取した。各世帯の屋内に誘虫紫外線ランプと吸引ファンを備えた電動蚊採捕機を設置し、デング熱が流行する雨季に採取した。採取した蚊標本は実体顕微鏡下で種を同定して、マイナス20度の冷凍庫内に保存をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目1(蚊ゲノムのウイルス抵抗性遺伝子の網羅的探索)では、まず標的遺伝子を除去する酵素Cas9を発現するネッタイシマカ培養細胞系を構築するまでには至らなかったが、細胞系構築に必要な要素技術を確立させることはできた。また、研究項目2(蚊地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の多様性評価)では、ネッタイシマカ成虫サンプルを採取することができた。以上より、概ね順調に進展しているを評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究項目1(蚊ゲノムのウイルス抵抗性遺伝子の網羅的探索):標的遺伝子を除去する酵素Cas9を発現するネッタイシマカ培養細胞系を構築する。この蚊培養細胞ライブラリーに、緑色蛍光色素(GFP)発現デングウイルスを添加し、感染数日後に蛍光活性セルソーティングでウイルス濃度が特に高い細胞群をウイルス抵抗性が低い細胞群としてスクリーニングする。 研究項目2(蚊地域集団のウイルス抵抗性遺伝子の多様性評価):フィリピンのマニラ首都圏とインドネシアのバンドンでネッタイシマカの採取を継続する。
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