研究課題/領域番号 |
22KK0062
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉岡 英樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90462564)
|
研究分担者 |
野口 貴文 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80208321)
大宮 喜文 東京理科大学, 創域理工学部建築学科, 教授 (10287469)
西尾 悠平 国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, 主任研究員 (20793334)
|
研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
19,890千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 4,590千円)
2027年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | 建築ファサード / 火災実験 / 火災CFD |
研究開始時の研究の概要 |
当該国際共同研究では先ず、日米の異なる実規模火災試験等を実施し、双方の結果を比較検討することにより、可燃性ファサードの火災拡大性状を詳細に解明する。更に、2つの異なるCFD解析手法(FDS 及びFireFOAM)を用いて火災シミュレーションを実施し、実験結果と照合させつつ、更なる改良を加えることによって、ファサードにおける火災拡大性状の精密な予測手法を開発し、実規模火災実験の有力な保管ツールとして位置付ける。最終的に、火災実験結果とCFD解析結果を組み合わせることで、グレンフェル・タワーの様な致命的な外装火災を防ぐための外装防火設計フローを確立し、日米で国際的に共同発信する。
|
研究実績の概要 |
(1)火災実験 JIS A 1310に関して、不燃性ファサードを使用したキャリブレーション試験(袖壁なしの状態)、袖壁を設置した試験、対向壁を設置した試験を実施した。袖壁付きの場合は袖壁と主壁における開口端部の距離をパラメータとして変化させて(50~400 mm)実験を実施し、離隔距離が火災性状に及ぼす影響についても検討した。更に、共同研究相手である米国FM Globalメンバーが日本の建築研究所を訪問し、火災実験の様子を実験棟で確認していただいた。 (2)CFDツールの活用 特にFireFOAMを使用して、上記JIS A 1310に基づく火災試験の再現計算に関する検討を実施した。なおCFD計算に関しては、米国出張時に限らず、電子メール送信やWeb会議開催によって、FM Globalの専門家から適宜、助言を仰ぎながら進めた。 (3)火災実験結果とCFD解析結果の組合せ検討 FM Globalに当該科研費メンバーで赴き、最新の火災実験結果やCFD解析結果を共有すると共に、火災実験の詳細に係る質問事項に回答すると共に、CFD専門家らによる助言を仰ぎ、今年度の成果概要を確認すると共に、次年度の発展的内容(実験・CFD共に)について合意に至った。特に、キャリブレーション試験時における袖壁と開口端部の距離をパラメータとして変化させる実験およびCFD解析について、英国系国際査読ジャーナルFire and Materialsに査読論文が採択されたうえ、表紙を飾ることも出来た(2024年6月号)。更に、実験に特化した内容に関しては、Swedenルンド大学で開催される4th International Symposium on Fire Safety of Facadesで、口頭発表として採択され、講演予定である(2024年6月)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1)概要 「研究の目的」、「研究実施計画」に照らし、予定通り、滞りなく実施できた。 (2)懸念事項およびその結果 なお建築研究所におけるファサード試験用のエリアの床面が水平でない箇所があったため、急遽、同じ実験棟内で場所を変えて、多目的エリアを使用して、JIS A 1310ファサード試験を実施することが可能となり、結果的に予定通り、火災実験を滞りなく実施することが可能となった。 (3)区分選択の詳細理由 当初予定通り、滞りなく実験、火災CFD共に、実施することが出来た。特に、キャリブレーション試験時における袖壁と開口端部の距離をパラメータとして変化させる実験およびCFD解析について、英国系国際査読ジャーナルFire and Materialsに査読論文が採択されたうえ、表紙を飾ることも出来た(2024年6月号)。更に、実験に特化した内容に関しては、Swedenルンド大学で開催される4th International Symposium on Fire Safety of Facadesで、口頭発表として採択され、講演予定である(2024年6月)。当該内容は、先進各国において定性的に重要性は指摘されているが、定量的に扱った研究論文は管見の限り、我々のグループのみであり、国際的にも極めて価値が高いものである。従って、(1)当初の計画以上に進展、を選択したものである。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)全体概要 基本的には研究計画の通り滞りなく、継続して進めて行く予定である。
(2)当初の研究計画から追加が生じる可能性・項目 現時点でまだ確定してはいないが、火災実験とCFD解析結果の比較を進めるにあたり、実験側も更に詳細な設定が必要となっており、チャンバー内に設置するバーナーの火源として、プロパンガスに加えて都市ガスの使用も比較目的として、追加する可能性がある。
|