研究課題/領域番号 |
22KK0073
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤井 周司 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60192457)
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研究分担者 |
鹿又 喬平 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (30880447)
澤間 善成 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (80552413)
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
笹井 宏明 大阪大学, 産業科学研究所, 招へい教授 (90205831)
佐古 真 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (20804090)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 加水分解酵素 / 遷移金属触媒 / 不斉合成 / ハイブリッド触媒プロセス / 環境低負荷 / アルコール / 軸不斉ビアリール化合物 / ヘテロカップリング反応 / 酵素 / 触媒プ ロセス / 国際共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
酵素がもつ高い分子識別能と,遷移金属錯体の汎用的で多様な機能を相乗的に活用し,単独の触媒では成しえない難易度の高い変換を1工程で,または1つの容器内で進行させる。本法は,高い選択性,効率性と拡張性を備えた環境低負荷の革新的な物質生産・変換法となる。本研究によって,第三級アルコール,多環式複素環,軸不斉ビアリール化合物,メビウス様分子,重水素化物質などの多様性に富む高機能性有機化合物の短段階合成を可能にする。
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研究実績の概要 |
酵素がもつ高い分子識別能と,遷移金属錯体の汎用的で多様な機能を相乗的に活用し,入手容易なラセミ体物質を光学純粋な分子や高機能性分子に100%変換する方法、環境低負荷の合成・変換法の創出を目的として,大阪大学とドイツ・ビーレフェルド大学の合同研究チームが協働して研究を行った。本年度は以下の成果を得た。 1.加水分解酵素リパーゼとオキソバナジウム触媒V-MPS4を併用する第2級アルコールの動的速度論的光学分割(DKR)によって、両方の鏡像異性体の作り分けを達成した。また、第3級アルコールのDKRに関して、大阪大学薬学研究科の院生がビーレフェルド大学に滞在してリパーゼの固定化とV-MPS4の失活の原因を解明した。また、適用基質を拡張した。 2.計算により見積もった軸不斉ビアリール化合物の軸周りの回転障壁の大きさを基に、リパーゼ触媒による新しいDKR法を開発した。 3.BINOLユニットを持つメビウス様分子の合成の展開として、3-ヒドロキシカルバゾール誘導体と2-ナフトール誘導体との電極酸化を活用したヘテロカップリングにより、多様なヘテロヘリセン類ならびにデヒドロヘテロヘリセン類を合成した。また、キラルなバナジウム触媒と電解酸化反応を組み合わせることで、ヘテロヘリセン類を光学活性体としての合成しており、これらの反応を活用したメビウス様分子の合成を検討している。さらに、キロプティカル特性の期待されるヘテロヘリセン部位を分子内に2つ有するダブルヘテロヘリセン類を合成した。 4.ハイブリッドプロセスによるデータ駆動型ダイバージェント不斉合成に関して、ヘテロカップリング反応の基礎データ収集とその機械学習データセット構築を中心に検討した。 5.水を求核剤とするビシクロブタン誘導体の環形成反応の開発に成功し、環状アセタール構造やジヒドロイソベンゾフラン構造を持つ新規スピロシクロブタン類の合成を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画はほぼ達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.リパーゼとV-MPS4を併用するアルコール類の動的速度論的光学分割において、両触媒の長時間共存性を更に改善するために、触媒のコーティングなどを検討する。 2.軸不斉ビアリール化合物の動的速度論的光学分割の基質適用性を拡張する。 3.光学活性なメビウス様分子の円偏光発光特性の解析を含めた検討を行う。 4.ハイブリッドプロセスにおけるデータ駆動型合成回帰モデル構築とその検証を中心に展開する。 5.構造多様性を志向した元素置換戦略として、ケイ素置換基を有するビシクロブタン誘導体を用い、含ケイ素スピロシクロブタン類の合成を検討する。
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