研究課題/領域番号 |
22KK0077
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
武森 信暁 愛媛大学, 学術支援センター, 講師 (40533047)
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研究分担者 |
星野 歩子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00819964)
紺野 亮 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, 特任研究員 (00935736)
川島 祐介 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, ユニット長 (30588124)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2024年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2023年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | プロテオフォーム / トップダウンプロテオミクス / GeLC-FAIMS-MS / エクソソーム / ミドルダウンプロテオミクス / ゲル電気泳動 / 質量分析 / PEPPI-MS |
研究開始時の研究の概要 |
生命機能を分子レベルで理解する上で、人体を構成するタンパク質の化学構造と生理機能の関係性を解明する意義は極めて大きい。生体内で1つの遺伝子から生み出される多様なタンパク質構造を包括的に明らかにするプロテオフォーム研究は、従来のタンパク質解析手法では困難であったが、タンパク質分子をまるごと質量分析システムに導入し、その構造情報を詳細に解析するトップダウンプロテオミクス法の登場により、飛躍的な進展を近年遂げている。本国際共同研究では、研究代表者が開発した高分解能タンパク質分画技術を相手国側の超高感度質量分析技術と組み合わせた革新的プロテオフォーム解析法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では、独クリスティアン・アルブレヒト大学キール(CAU)のAndreas Tholey教授の研究グループとの国際共同研究により、質量分析による高深度なインタクトプロテオフォーム解析を可能にする新規トップダウンプロテオミクス法の開発を行う。今年度は、生体サンプルから抽出したクルードなタンパク質成分をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により高分解能に分離し、ゲルの目的の分子量領域に含まれるプロテオフォームの高感度ミドルダウン解析を可能にするサンプル前処理法(Targeted MDPワークフロー)の開発を行なった。開発したTargeted MDPワークフローでは、(1)SDS-PAGEによる分子量ベースでのサンプル分離、(2)高効率受動抽出法による目的分子量領域におけるゲル内タンパク質成分の溶液内回収、(3)Glu-Cプロテアーゼを用いた回収タンパク質成分の限定消化、(4)陰イオン交換固相抽出スピンカラムを用いた精製処理を組みわせることにより、標的プロテオフォームに由来するミドルダウンペプチド情報を高効率に取得することが可能となった。さらに開発したTargeted MDPワークフローとCAUが保有するトップダウンプロテオミクス用の高分解能質量分析システム(LC-FAIMS-MS)を組みあわせることにより、標的プロテオフォームにフォーカスした高深度プロテオフォーム解析法を開発することに成功している。現在は開発手法を用いてヒトがん細胞由来エクソソームサンプルに含まれるインテグリン・プロテオフォームのターゲット解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年11月のCAU訪問により、今年度予定していた標的プロテオフォームのミドルダウン解析のためのサンプル前処理ワークフローおよびLC-FAIMS-MSによるミドルダウンプロテオミクス法の開発を達成している。また訪問時には、ベンチでの実験に加えて、トップダウンデータを用いたプロテオフォームデータベース検索や、相手国側グループが開発したソフトウェアを用いたトップダウン分析の品質管理の方法についても習得し、帰国後に研究分担者と情報共有を行なった。開発手法によるインテグリンのプロテオフォーム解析に関しても順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は現在までに確立したGeLC-FAIMS-MSシステムを用いてエクソソームサンプルのトップダウン・ミドルダウン解析を引き続き行う。またサンプル前分画処理のハイスループット化や、LC-FAIMS-MSによるプロテオフォーム検出感度の向上に向けた技術開発の取り組みについても相手国側の研究者と協力して行うことを計画している。
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