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雑草競合耐性イネを活用したモンスーンアジア直播稲作の環境保全型管理

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0083
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分39:生産環境農学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 洋一郎  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50463881)

研究分担者 若林 侑  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10964877)
内田 圭  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40747234)
郭 威  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70745455)
研究期間 (年度) 2022-10-07 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード直播稲作 / イネ / 直播栽培 / 環境保全型農業
研究開始時の研究の概要

熱帯アジア水田を対象として、人手不足に対応した直播稲作における雑草制御と希少湿生植物保全の高度な両立を目標とした国際研究を展開する。具体的には、水田画像から雑草種の自動識別手法を開発し、直播稲作における雑草成長を推定する。また、モンスーンアジアの水田植物データベース整備および雑草競合に優れるイネ品種の特性解明を進める。各研究要素を直播稲作現場で統合、水稲生産を犠牲にしない雑草管理=希少種保全策の検証を進める。

研究実績の概要

直播稲作における雑草成長がイネ収量に及ぼす影響への理解を深めるため、雑草-作物の競合下で雑草群落と作物群落を別々に受光量を推定する方法を考案した。その結果、C3種が優先する雑草群落では、作物と雑草の日射利用効率に差が無いこと、また、無除草下の作物の日射利用効率は除草下の作物と差が小さいことが初めて明らかとなった。すなわち、集約的な直播稲作において雑草-作物の競合がもたらす生産性の低下は主に光競合の結果積算受光量が低下することによる(日射利用効率は影響されにくい)ことが示唆された。さらに、同じ雑草群落成長量であっても、植物種構成がイネの収量に大きく影響することが示唆され、稲作における生物多様性と作物生産性の高度な調和を検討する際の鍵となると考えられた。次に、熱帯アジアの直播水田の植物多様性調査として、急速に移植から直播への栽培方式の切り替えが進むカンボジアに注目して調査研究を進めた。カンボジアのトンレサップ湖周辺および南部(タケオ・カンポート・プレイベン・カンポントム・シェムリアップ・バッタンバン)を中心に雨季作の水田生態系の植物種の予備調査を行った。日本では既に発見が珍しくなっている種も散見された。カンボジアでは同じ州内でも水田生態系が変化に富んでおり、そういった多様な水田生態系のランドスケープにおいて依然として生物多様性が高いことが観察された。直播水田であるか移植水田であるかという植付方式の違いや集約強度(水田農業の近代化がどの位進んでいるか)よりも、年間の湛水期間、土壌乾燥期間やその頻度といった水環境条件が植物多様性に大きく影響しているように見受けられ、この点にも着目した詳細な水田生態系調査計画を今後設計する必要がある。カンボジア水田生態系の植生調査を長年継続している現地研究者と連携を取ることができ、今後、情報交換を継続しながら植物種のリストアップを進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国内試験は干ばつの影響に見舞われたが、収量調査まで無事に実施することが出来た。また、熱帯アジアの現地予備調査についても計画通り進めることができ、植物種情報の収集も進展した。

今後の研究の推進方策

雑草競合耐性イネに関する作物生理解析については、今年度も試験を実施し、年次反復を取得する予定である。また昨年度、検出されたイネの茎伸長に関するQTL情報をもとに、準同質遺伝子系統の作出(BC4F1)を行う。また、直播稲作における雑草-作物の競合下の作物生産性の解析については研究取りまとめを進める。一方で、雑草-作物の競合下の作物生産性には、雑草群落成長量だけでなく、植物種構成がイネの収量に大きく影響することが示唆されたため、植物種ごとの生育モニタリングとイネ収量との関係について、調査規模を拡大して再検証を行う。また、この分野について、ヨーロッパの研究機関で近年精力的に展開している情報が得られたため、コンタクトを取って情報交換および共同研究の整備を進める。そして、モンスーンアジアの水田雑草のメタ解析については、メタ解析の材料となる情報がやはり不足していると判断されるため、得られている植物種情報をどのように取りまとめて活用するか、検討を進める。同時に、引き続き、カンボジア水田生態系を1つのモデルケースとして調査研究を継続する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 学会発表 (5件)

  • [国際共同研究] カンボジア農林水産省(カンボジア)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] 国際稲研究所(フィリピン)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] カンボジア農業省(カンボジア)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] 国際稲研究所(フィリピン)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] エアロビック・ライス栽培における雑草群落成長と作物収量の関係2024

    • 著者名/発表者名
      福永莉奈・加藤洋一郎
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 乾田直播稲作の深播き技術に関する出芽率予測モデルの検討2024

    • 著者名/発表者名
      菅野紀子・加藤洋一郎
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ドローンで撮影した画像を用いた水稲の分げつ数推定手法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      山岸雄輝・郭威・加藤洋一郎
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 直播稲作における作物・雑草の識別と成長量評価のための画像解析手法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      指原佑佳・江草泰介・石井昌範・郭威・加藤洋一郎
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] モンスーンアジアの水田生態系の植物種保全に向けた稲作管理の検討2023

    • 著者名/発表者名
      奥田温基・内田圭 ・加藤洋一郎
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-10-11   更新日: 2024-12-25  

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