研究課題/領域番号 |
22KK0095
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
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研究分担者 |
南保 泰雄 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20731623)
武山 暁子 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (40932033)
ティルラセンバラム シヴァクマール 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 特任研究員 (00826711)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 馬ピロプラズマ病 / 国際標準血清診断法 / 馬タイレリア / 馬バベシア / モンゴル / 試験管内培養 / タイピングPCR法 / 馬 / 血清診断法 |
研究開始時の研究の概要 |
馬ピロプラズマ病とは、赤血球内寄生性原虫である馬タイレリアもしくは馬バベシアが、マダニの吸血によって伝播する海外悪性伝染病である。本原虫は世界に広く分布し、さらに拡大傾向にあることから、馬の国際移動に伴う水際防疫においては血清診断による厳格な陽性馬の摘発が行われている。しかしながら、現行の血清診断法には致命的な欠陥があることが指摘され、しばしば大きな社会問題を引き起こしている。そこで本研究は、モンゴル国で多発している馬ピロプラズマ病の罹患馬を研究対象に、現行の血清診断法の問題点を科学的に実証し、その成果に基づいて新たな馬ピロプラズマ病に対する国際標準血清診断法を開発していく。
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研究実績の概要 |
馬ピロプラズマ病とは、赤血球内寄生性原虫である馬ピロプラズマ(馬タイレリアもしくは馬バベシア)が、マダニの吸血によって伝播する海外悪性伝染病である。本原虫は世界に広く分布し、さらに拡大傾向にあることから、馬の国際移動に伴う水際防疫においては血清診断による厳格な陽性馬の摘発が行われている。しかしながら、現行の血清診断法には致命的な欠陥があることが指摘され、しばしば大きな社会問題を引き起こしている。そこで本研究は、モンゴル国で多発している馬ピロプラズマ病の罹患馬を研究対象に、現行の血清診断法の問題点を科学的に実証し、その成果に基づいて新たな血清診断法を開発する。本提案研究では、特にモンゴル国で放牧されている感染馬から多彩な遺伝子型の馬ピロプラズマ原虫の分離・培養を試み、それぞれの分離株の性状解析や馬の感染試験を通して、馬ピロプラズマ病に対する国際標準血清診断法の開発研究を加速するための国際学術基盤を構築する。
2022年度では、遺伝子診断と顕微鏡診断により、モンゴル国内で放牧されている馬から感染個体を抽出し、その感染馬から馬ピロプラズマ感染血液を回収した。感染血液は日本に搬入し、帯広畜産大学・原虫病研究センターにて試験管内培養による分離培養を行なった。その結果、試験管内で持続培養できる馬タイレリアの野外分離株の樹立に成功した。また、馬タイレリアの遺伝子型を鑑別できる新たな遺伝子診断法(タイピングPCR法)の開発にも成功した。現在、回収した馬血清を用いてcELISAとIFATによる診断比較を行い、現行診断法の問題点を検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の重点課題であった、1)モンゴル国内で放牧されている感染馬からの、試験管内で持続培養できる馬タイレリアの野外分離株の樹立、及び2)馬タイレリアの遺伝子型を鑑別できる新たな遺伝子診断法(タイピングPCR法)の開発にそれぞれ成功したことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
馬ピロプラズマ病に対する新たな国際標準血清診断法の開発を目標に、以下の研究内容を順次実施する。特に、モンゴル国で放牧されている感染馬から多彩な遺伝子型の馬ピロプラズマ原虫の分離・培養を試み、それぞれの分離株の性状解析や馬の感染試験を通して、開発研究を加速していく。
2023年度では、野外分離株の樹立・評価を継続するとともに、回収した馬血清を用いてcELISAとIFATによる診断比較を行い、現行診断法の問題点を検証する。また、得られた野外分離株の培養下での生物学的特徴を精査した後、既存の抗ピロプラズマ薬の効果も比較・評価する。さらに、分離した遺伝子型別の馬ピロプラズマ原虫株を馬に感染させる感染実験を行い、その感染持続性や病原性等を臨床病理学的に評価するとともに、診断法の開発に必要な研究試料(血清や感染血液など)とデータを収集する。また、確立したタイピングPCR法を用いて、それぞれの遺伝子型がどの程度モンゴル国内に分布しているのかを調査する。
2024年度では、馬ピロプラズマの馬感染実験を継続するとともに、得られた血清試料等を用いて現行診断法の問題点を科学的に実証する。また、全ての遺伝子型をカバーできる新たな血清診断法をELISAもしくはイムノクロマト法の評価系で試作する。さらに、開発した血清診断法の有用性をモンゴル国内で評価するための“次の企画”を共同で取りまとめる。
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